高島屋(タカシマヤ)
高島屋おせち三段重
税込22,800円
もともとは「お節」の漢字で書かれていた「おせち」は、3月3日や5月5日のような、節句(せっく)の時に食べられる料理という意味でした。現在では節句の中でも別格におめでたいお正月に食べられる料理を指すようになりました。おせち料理は一般的に重箱に詰められますが、めでたいことを重ねるという願いが込められているとされます。年末の間に作り、正月三が日には家事をしなくても良いという保存食の意味合いもあります。
一説によると平安時代、宮中では年に数回ある節目の節句(せっく)・古くは節日(せちにち)に宴を開き、神にお供えする年中行事が行われていたようです。おせち料理は、この「お節供」の行事に由来しているといわれています。江戸の庶民が江戸時代後期にこの行事を生活に取り入れ、おせちの風習が日本各地に派生。その後、数ある節句の中でも一番目の正月にふるまうご馳走だけが「おせち料理」と呼ばれるようになりました。
おせち料理は、一年で一番おめでたいお正月に食べる料理ですから、料理それぞれにおめでたい意味が込められ、いわれがあります。名前の語呂合わせや縁起を担ぐ食材を使用したものも多く、成長するにつれて名前が変わる出世魚のブリなどは出世を祈願。意味を知ることで、今までとは違った食べる楽しみが増えそうですね。
ニシンの卵、数の子。ニシンが「カド」とも呼ばれ、「カドの子」が変形して数の子と呼ばれるようになったようです。一腹にたくさんの数の卵があることから、我が家にもこどもがたくさん生まれて繁栄しますように、との意味があります。
昆布は「養老昆布」=「よろこぶ」との語呂合わせで、おめでたい食材とされています。中にニシンを巻いた昆布巻きは、「二親(にしん)」が喜ぶと解釈され、両親の長寿と共に子宝に恵まれる子孫繁栄の願いが込められています。
お煮しめに用いられる里芋にも子孫繁栄の意味があります。収穫の時期に土を掘り起こすと、親芋の根元から子芋があらわれてくることから、たくさんこどもが生まれるようにと願うお祝い事にも使われています。
田作りは、カタクチイワシの稚魚を干したもの。昔は稲を植える時に田んぼに細かく刻んだコイワシを灰にまぜて肥料にしました。このことから、五穀豊穣の願いを込めて「田作り」という漢字であらわされ、「たづくり」と呼ばれるようになりました。
柔らかく煮た牛蒡を叩いて味がしみやすくした「叩き牛蒡」も、おせち料理の定番。牛蒡は土の中に根を張る根野菜なので、家族や家業の土台がその土地にしっかり根を張るように」との願いが込められています。また、牛蒡は豊作の象徴でもある「黒い瑞鳥」に見た目が似ていることから、豊作の願いを込めて食べられた食材です。
豆の読み方「まめ」には「勤勉」、「体が丈夫である」という意味も持っています。新しい一年も、「家族みんながまめで元気に過ごせますように、働けますように」という願いが込められています。
腰が曲がり長いひげのある海老は、その姿から、長寿のシンボルに。「腰が曲がるまで健やかで長生きできますように」との願いを込められた、おせち料理の定番です。
「きんとん」は漢字で「金団」と書き、「金のふとん」「金色の団子」のように金銀財宝の意味です。黄金色の見た目からも金運上昇の願いが込められた、大人もこども大好きなおせち料理の甘味です。
かまぼこの半円形が初の日の出に似ていることから、おめでたい食材とされてきました。「赤」は「魔除け」を、「白」は「清浄」の意味合いを持っています。紅白の色合いは、おせちのお重を華やかに彩ってくれます。
「紅白なます」は、祝い事に用いられる紅白の水引になぞらえた、細切りの人参と大根の酢の物。人参の「赤」が「魔除け」をあらわし、大根の「白」は「清らかな暮らし」を願って食べられました。
一つひとつの料理に込められた意味や願いを知ることで、家族でおせち料理を食べる楽しみも会話も広がりますね。高島屋オンラインストアでは老舗・名店の正統派のおせち料理はもちろん、年末年始の集いにオードブル感覚でお召しあがりいただける洋風・中華のおせち料理などバリエーション豊かにご用意しています。