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ルロワが導く、未来のワインスタイル ーマダム・ルロワを訪ねて

2022年11月9日

ルロワが導く、未来のワインスタイル ーマダム・ルロワを訪ねて
※画像はイメージです

いま、ワインの世界で確実に認知を広げる「自然派」のキーワード。屈指の産地であるブルゴーニュもしかり。彼の地で早くから環境に寄り添い、ビオディナミ農法を貫いてきたワイナリーが「ルロワ」だ。高島屋がこの名門のワインの取り扱いを始めて、今年で半世紀となる。この夏、ブルゴーニュへ。四代目オーナー、ラルー・ビーズ・ルロワを訪ねた。

#01 ルロワ家に受け継がれるワインへのリスペクト

ルロワ家に受け継がれるワインへのリスペクト
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2022年7月、記録的な猛暑に見舞われたフランス・ブルゴーニュ地方。名だたる銘酒を生むグラン・クリュ(特級畑)のひとつ、ロマネ・サン・ヴィヴァンに、一際目を引くルロワの区画があった。ブドウの木の蔓は奔放に伸び、青々とした大きな葉が生い茂る。野生児のようなその姿は、遠くから見ても異彩を放っていた。「Bienvenue !」。オクセーデュレス村のルロワ本社を訪問すると、四代目当主ラルー・ビーズ・ルロワが2匹の愛犬とともに暖かく出迎えてくれた。可憐なブラウスをパンツで颯爽と着こなす、エレガントなマダムだ。1868年、ネゴシアンとして創業したLEROY(ルロワ)社。三代目当主でマダムの父、アンリ・ルロワのもと事業を拡大し、1942年にはDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)の所有権の半分を取得した。幼い頃からワインへのリスペクトの中で育ち、父の薫陶を受けたマダム・ルロワは1955年、23歳で事業に参画。1988年には高島屋との資本提携により、自社栽培のブドウでワインの生産を始め、「ブルゴーニュで最も偉大なドメーヌ」と称賛されるほどの存在となった。

#02 ブドウの生命力を引き出すビオディナミとともに

ブドウの生命力を引き出すビオディナミとともに
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フランス語で「ヴァン・ナチュール」と呼ばれる自然派ワインの人気が世界中で高まり、ブルゴーニュでも多くのワイナリーがブドウ本来の味わいを求め、有機栽培(BIO)やビオディナミに取り組むようになった。ビオディナミとは、天体の周期に基づき植物の生命力を引き出す農法だ。マダムは、ブルゴーニュ地方でこれを早くから取り入れた先駆者だ。自らが納得できるワインに出会えなくなったことを憂い、1988年には自社畑をすべてビオディナミに切り替えた。だからこそ近年の潮流を「環境にとっては、とてもよいこと」と歓迎するが、同時に「どれだけ徹底的にこだわって実践しているかが重要」と指摘するのも忘れない。それが決して容易ではなく、試行錯誤の連続であることを、身をもって知っているのだ。ルロワのブドウが高く伸びているのも、「木に負担をかけたくない」と1999年を境に一切の剪定をやめたからだ。これについては、穏やかでない言葉で表現した。「ブドウを〝虐殺(massacre)〞しなければ、より味が濃くておいしいワインができるでしょう」。生き生きと伸びる木は、大きな葉に包まれる。「ブドウが日陰になるとも言われますが、果実に栄養を与え成熟させるのは、太陽ではなく葉です。また乾燥しないように、日差しから守ることも必要」と、その理由を説明した。

マダムは「ルロワの畑とワインについての決断と責任は、常に私にあります」と断言し、いまも週に一度、すべての畑に足を運ぶ。収穫後には、ブドウの発酵を促すための「ピジャージュ(pigeage)」という伝統的な工程が待っている。収穫したブドウを、巨大な桶の中で裸足で踏む重作業だが、なんとこれも自ら行うという。「毎年欠かさずやっています。楽しくて大好きなの」というが、実はその年のブドウの状態を知るために、必要不可欠な作業である。「例えば、今年のブドウは果汁を多めに含むから潰し過ぎなくても良い、といった指示を出すのよ。体の重い男性だと力任せに踏みつけてしまうから、本当は女性の方が向いているんです」と明かしてくれた。地元でもほとんど行われなくなった裸足でのピジャージュだが、LEROY(ルロワ)社では毎年秋の風物詩だ。

#03 稀代のテイスターのワインの楽しみ方

稀代のテイスターのワインの楽しみ方
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「私はワインを一人で飲むことは決してないの。必ず人と一緒に、美味しい食事と味わいます」というマダム。ワインとは、テロワールの恵みを人々と分かち合うもの。だからこそ、ともに過ごす相手のために、どのボトルを選ぶか考えることも、重要なプロセスだ。
「たとえお会いしたことのないお客様だとしても、想像しながら選びます。そして、同じ人と同じワインを飲むことは二度とありません。必ず違うものにします」。卓越したテイスティング能力を持つことで知られるマダムがネゴシアンとして提供する〈メゾン ルロワ〉は、常に比類のないクオリティを保っている。

#04 ブルゴーニュの未来、ルロワの未来

ブルゴーニュの未来、ルロワの未来
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マダムの一挙手一投足を近くで見守るのは、ソムリエ出身の右腕、フレデリック・ロメール氏と、その補佐役ジル・デプレ氏だ。「私個人のワインの好みはもちろんありますが、その“感覚”はもう、伝わっているはず」と、マダムも二人に全幅の信頼をおいている。上質なワインには、太古からの土壌と気候風土が刻まれる。自然の力を借りて真摯につくられたワインは、地球の過去から未来へのメッセージにほかならない。「ビオディナミとは、生命そのもの」とマダムはいう。「ブドウが最大限の力を発揮するには、常に向上心を持って、より多くのことを行わなければいけません。植物に命を与え、成長させることに決して終わりはないのだから」。果てしない高みを目指すマダムのパッションは、ルロワのワインを通じて、これからも永遠に輝き続けることだろう。

1972年に高島屋によってLEROY(ルロワ)社のワインが日本に上陸してから50年。高島屋はマダム・ルロワとともに、これからもルロワ ワインのおいしさをお届けしてまいります。

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