サステナブル活動TSUNAGU ACTIONの推進
「TSUNAGU ACTION」とは、この地球を次の世代へ、未来につなげる今日の一歩にするため、当社がけん引役となり、お客様やお取引先とともに取り組む当社のサステナブル活動です。「美しい環境と豊かな資源を守ること」「伝統や文化を引き継ぐこと」「すべての人に寄り添うこと」など、日々の暮らしにおいて、より良い社会や未来に貢献できる消費・生産活動を通じ、サステナブルなライフスタイルの浸透・定着をめざしています。
そのために、「TSUNAGU ACTION」では3つのテーマ(PLANET・SOCIAL・PEOPLE)を設定し、テーマに基づき、「使い捨てない、大切に長く使う」「廃棄しない、循環させる」「地域の伝統・技術を守る」「人々の思いや暮らしを守る」など、一人ひとりができる具体的なアクションを提案しています。
当社は「TSUNAGU ACTION」を、本業に直結したESG活動と捉え、通年で展開することで、企画数の拡大、お客様認知度の向上に取り組み、ステークホルダーの皆様からの共感獲得を通じ、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
循環型のものづくり「Depart de Loop」
当社では、サステナブルな循環型社会の実現をめざしたプロジェクト「Depart de Loop」の取り組みを通じ、不要となった衣料品やコスメなどを回収・再生・販売する循環型スキームを構築。まだ使用できるものは、寄付やリユースを行い、原料も可能な限り再資源化しています。再生ポリエステルの衣料品からスタートした循環型商品の取り組みは、現在、デニム、カシミヤ、コスメ(クレヨン)、羽毛ふとんにまで拡大しています。「売りっ放し」からの脱却をめざすと同時に新たな資源の使用を可能な限り抑える循環型社会の実現に向け、お客様やお取引先とともに推進していきます。
Depart de Loopホームページ
百貨店のTSUNAGU ACTION
百貨店では、日々の暮らしのモノやサービスを通じて、お客様・お取引先・地域社会・従業員などあらゆるステークホルダーの皆様とともに、百貨店だからこそできるサステナブルでより良い社会や未来につながる取り組みを推進しています。
- 高島屋クラウドファンディングサイト
- “RETURN TO SENDER” プロジェクト
~アフリカの衣料品廃棄問題に立ち向かう~
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- 高島屋 日本橋店
- 「輪島塗を未来にTSUNAGU」POP UP
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- 新宿高島屋
- 学校EXPO in 新宿高島屋
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この他のTSUNAGU ACTION TOPICSについてはこちら
- 【拡大に向けた全社的な取り組み推進】
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お客様にとって魅力的な商品やサービスの提案に向け、バイヤーだけでなく店舗やEC事業部などで働く従業員も参加対象とした「企画検討会」を2024年3月から実施。3つのテーマに基づいたモノ・コト企画を立案し、役員・経営層に向けたプレゼンテーションを行いました。優れた企画には本社サポートの下、具現化していく仕組みを構築しています。2024年3月に初めて実施した「企画検討会」では、各店各部から選抜された75企画が提案されました。当社ならではの「TSUNAGU ACTION」の拡充brに向け、全社を挙げて取り組んでいきます。
また、「TSUNAGU ACTION」の取り組みや当社グループのサステナブル活動(衣料品やコスメなどの回収活動、フードドライブ活動)への参画度合いを店・事業部・グループ会社別に競うインナーキャンペーンも実施し、全社的なサステナビリティへの意識醸成につなげています。
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企画検討会」の様子
- 【「 お客様アンケート」を通じたサステナブルコミュニケーションの実施】
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「TSUNAGU ACTION」を通じたサステナブル社会の実現には、お客様の理解・共感が不可欠です。そのため、当社では、2023年から年に1回、アプリ会員様を対象とした「お客様アンケート」を実施しています。2023年・2024年の「お客様アンケート」では、延べ約50,000名のお客様にご回答いただき、「TSUNAGU ACTION」や、「Depart de Loop」の認知度をはじめ、当社へ期待する取り組みやサステナビリティ活動に対するご意見などを多数いただきました。頂戴したお声の1つとして、「Depart de Loop」として取り組む「回収活動の常設化」を望む声を多くいただき、お客様の声を踏まえ、2024年4月より全店にて衣料品・コスメ・羽毛ふとんの回収ボックスを常設化しました。(※コスメは7店舗)
今後も、アンケートなどを通じお寄せいただいたお客様のお声を取り組みに反映し、活動をブラッシュアップしていきます。
- 【各店における地域との取り組み】
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店舗ごとに自治体や地域の企業・団体・学校などと連携し、地域活性化や地域ごとの社会課題解決につながる取り組みを進めています。具体的には、大阪店における関西の複数の福祉施設に所属する障がいのある人たちのアート活動支援につなげる「TSUNAGU MARKET」や、高崎店における群馬県の伝統工芸や食品などを集積した「SANCHOKU DEPARTMENT STORE」、玉川店での日本唯一の菓子業界が設立した専門学校の学生たちが作ったお菓子を販売し、次世代育成支援につなげる「日本菓子専門学校のお菓子とパンの店」など、各店ごとの特徴に合わせて、さまざまなジャンル・切り口で地域との取り組みを推進しています。
グループ会社のTSUNAGU ACTION
グループ会社においても、各事業活動を通じた取り組みや海外百貨店の各地域に根付いた取り組みなど、グループ全体で多様なTSUNAGU ACTIONを推進しています。
- 廃材アップサイクル建材を用いた店舗環境づくり
- 【東神開発株式会社(商業開発事業)】
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東神開発(株)は、"コミュニティ"と"サステナビリティ"をテーマに、そこに行けば、誰かと時間や空間を共有できる、あるいは、エコロジーを体験・体感できる場の提供を目指しています。玉川高島屋S・C開業55周年に合わせたリニューアルでは、本館2階は1階グランパティオの雰囲気を拡張することで1階と連続性のある開放的な空間を構成しました。そこには、シーティングスペースを点在させ、川原の小石をイメージした形状のテラゾー(※)を使用したベンチを設置しています。テラゾーの骨材には、通常使用される製造の過程で余った大理石の端材に加え、能登半島地震で割れてしまい、商品にならなかった石川県の九谷焼を混ぜ合わせています。陶磁器の九谷焼を混ぜ込むことで、異質ながらも独特の味わいが生み出され、アップサイクルによって廃材になるはずのものに新たな価値が生まれました。また、二子玉川周辺の緑葉をイメージした、まちとの繋がりを感じさせる植栽を採用し、くつろぎの空間を演出しています。
(※)テラゾー:大理石などの石材を砕いて砕石状にし、セメントに混ぜて固めた人造大理石の建材
- オンラインサイトの編集力・情報発信力を活かした取り組み
- 【株式会社セレクトスクエア】
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(株)セレクトスクエアが運営する高島屋オンラインストアの「FASHION SQUARE」では、TUSUNAGU ACTIONの月ごとのテーマを設定し、月次展開化をスタートしています。第3弾では、“日本・地域の伝統や文化を伝え、広げていくこと”にフォーカスしました。海外からも注目を集める日本製のクオリティ。その魅力は素材やデザインはもちろん、縫製や加工など細部にまでこだわりあふれるものづくりにあります。そのようなスピリットを感じるジャパンメイドの逸品を選定、特集し、3つのブランドをクローズアップしました。「日本の美意識をつきつめた“純国産”コートSANYOCOAT 100年コート」、「職人の思いと技術がもたらす上質アイテムTOMORROWLAND collection×こだわりの縫製」、「美しい染色と環境への配慮岡山の地産地消デニム『KUROKI』」を取り上げ、ものづくりの背景とともにご提案しています。オンラインサイトの強みを活かして、地域の伝統や残すべき技術を発信する役割を果たしていきます。
- 館内装飾アップサイクルを通じた子供たちの創作体験
- 【シンガポール高島屋(海外百貨店事業)】
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シンガポール高島屋では、YMCA協力のもと、6歳から12歳の子供たちによる館内クリスマス装飾用のイラストコンテストを実施。その中で選ばれたデザインを実際の館内装飾、クリスマス包装紙や買い物袋に採用しました。また、昨年使用したクリスマスオーナメントを障がいを持つ子供たちに提供、自由にデザイン(ペイント)をしてもらったものを、館内装飾としてアップサイクルしました。併せて自分がデザインや作成したクリスマスオーナメントが実際にお店の装飾に使われている様子を見学する館内ツアーも開催。イラストが採用された子供たちに百貨店という場所を身近に感じてもらえる良い機会となりました。今回の取組みを通じて、様々な背景を持つ子供たちをサポートしているYMCAの活動内容を多くのお客様に知っていただくことができ、百貨店とは単にモノを売るだけの場所ではないことを従業員一同で再認識することができました。
- 技術・デザインで環境問題にアプローチするイベント開催
- 【サイアム高島屋(海外百貨店事業)】
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サイアム高島屋では、新しい技術と優れたデザインを融合し環境問題へアプローチする「Green Creative Innovations」を実施。廃棄物由来の素材を使用してアップサイクルを可能にする3Dプリンターを開発した㈱Extrabold様、タイのExtrabold社の正規代理店であるYN2-Tech様、Extrabold社の3Dプリンターを使用した「HONOKA LAB」デザイナーチームの協力の元、実現しました。 2023年ミラノサローネ・サテライト賞を受賞した「HONOKA LAB」チームの代表作である、「TATAMI ReFAB PROJECTT」の製品をタイで初めて展示・販売しました。使い終えた畳や廃棄される井草を再生可能樹脂と混ぜ合わせ、新たな魅力の家具を制作しています。「HONOKA LAB」デザイナーで、TOYOTA社のプロダクトデザイナーでもある藤原氏、㈱Extraboldの原CEOをお呼びし、クリエイティビティで環境問題を解決していくというテーマで、タイの女優のCherry氏にも登壇して頂き、タイの環境問題への姿勢や、日本の技術やアイディアのディスカッションを行いました。また、子供向けのワークショップを開催し、普段はふれることができない3Dプリンターを使って、ゴミをアップサイクする体験をしていただき、子供達もその家族も興味津々な様子で参加して頂きました。
- 環境・循環型社会への貢献を目指す「Go Green」キャンペーン
- 【上海高島屋(海外百貨店事業)】
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上海高島屋では、館の創業祭と連動し、2024年10月に、環境・循環型社会への貢献を目指すキャンペーン活動「GO Green」を展開しました。具体的には、地元行政の紹介を受け衣料品リサイクル業者と連携した「回収活動」、ペットボトル等のリサイクル素材を用いたDIY作品をお客様から募集、館内入口で展示を行う「啓発活動」を実施しました。こうした取り組みは行政からも高く評価を頂き、地元長寧区が主催するセミナーの中で、上海高島屋の取り組みをご紹介いただきました。
お客様とともに取り組むフードドライブ活動
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家庭での食品ロスの削減、食料を必要とする方々への支援を目的とし、家庭で使いきれない未使用食品を集めてフードバンク団体や地域の福祉施設などに寄贈する「フードドライブ活動」を百貨店・SCで実施しています。お客様から提供された食品は、地元のフードバンク団体などを通じて、地域のこども食堂や、必要とする方へ届けられます。多くの方々に認知を広げるために、ウェブサイトや各店での情報発信をはじめ、一部店舗での常設回収の開始、店舗近隣オフィスなどへの協力呼び掛けなど各種取り組みを行い、活動の浸透・定着化に取り組んでいます。
また、2024年11月には、大阪で開催のSDGs啓発イベント「SDGs ユースアクション EXPO」に、株式会社阪急阪神百貨店と合同で「フードドライブ」のブースを出展しました。同じ地域に基幹店を持つ両社は社会課題解決に向け、地域のお客様へ「フードドライブ」への理解をさらに深めていただくため、協働して取り組んでいます。
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〈2023年 フードドライブ実績〉
- ・実施店舗:百貨店8店舗、SC3店舗 計11店舗
- ・回収実績:合計1.8tの食品(各地域の団体様へ寄付)