サステナビリティ

Sustainability

高島屋グループのESG経営

人的資本経営の推進

企業の持続的成長や価値向上に直結する「人的資本」への投資は、社会のサステナビリティと企業の利益創出を両立する上で不可欠な戦略投資です。当社は、専門性や多様な価値観を持つすべての人の価値を最大限引き出し、お取引先からの派遣スタッフを含めた全従業員が、主体的にいきいきと業務に取り組み成果を生み出せる企業をめざし、人的資本経営を推進していきます。


働く場所としての魅力向上


人材育成方針

当社は、「営業力強化」「組織力の向上」「働きがいの向上」 に認定されています。に向け、人材育成の基本方針を定め、社会環境や時代の変化を見据えた人材育成に取り組んでいます。

社会環境が急激に変化する中、企業の持続的成長には、未来を見据えた事業のトランスフォームが不可欠となります。そのために、多様な人材が主体的に能力開発に取り組み、自律的にキャリアを形成していくことを大切にします。当社の人材育成の根幹は「OJT」です。「OJT」により、業務現場でしか得られない仕事の進め方や知識・技能を習得し、実務能力や問題解決力を高めます。また、多様な「Off・JT」により、業務現場以外の急変する環境に即した教育を有機的に組み合わせることで、クリエイティブ・イノベーティブな発想力・構想力を養っていきます。

能力開発体系

OJTを基本としつつ、計画的に自らキャリアを開発できるよう、「社会人として必要となるビジネス基礎能力」を習得するプログラムや、専門性をより一層高めるための職務別・ジャンル別のプログラムなどの研修メニューを整備しています。また、一部の研修を除き雇用形態にかかわらず、すべての従業員が等しく受講できる環境を整えています。特に近年は、デジタル技術による事業や業務の変革をめざし、デジタルスキルに関する各種研修や人事考課目標への組み込みなどを実施し、役員含む全経営層はITパスポート試験の受験を必須化しています。


能力開発体系図


キャリアサポート

人事に関する制度運営は、「個人の自主性の尊重」を基本的な考え方とし、一人ひとりの個性と意欲を尊重した人材育成をめざしています。キャリア実現に向けたサポートの仕組みを下記の通り整備しています。

●アセスメント

年に一度、「能力評価アセスメント(各職務に求められる「能力・スキル」などと現在の自分との差異を明確化し、今後の能力開発計画に反映)」、「自己申告(進路・キャリアプランなどの意思表明)」について確認し、ジョブローテーションの参考にしています。

●オープンエントリー/FA制度

自らのキャリアを自らの意思で実現していくため、本人の「やりたい職務」や「挑戦したいキャリア」の希望を、ジョブローテーションに活用する制度です。自らが希望する職務に自ら手を挙げ、その意欲を配置で実現する仕組みにより、一人ひとりが専門能力を持ったプロとして自立できることをサポートしています。

●セルフ・キャリアドック

節目となる昇格と年齢のタイミングで、キャリア研修とキャリアサポート面談を実施しています。この「研修+面談」の機会を通じて、個々人の主体的なキャリア形成を促進・支援するとともに、各自の専門性を高め、個人と会社の双方の成長につなげていきます。さらに、キャリア・ライフプラン相談室では、研修対象者以外にも、年代・雇用形態問わず、随時キャリア相談を受け付け、仕事を通じて成長し働きがいを高められるよう、総合的にキャリアを支援する仕組みの整備を進めています。

健康経営

従業員の心身の健康を守ることは企業の責務であり、グループの成長には、従業員一人ひとりの活力が不可欠です。当社グループは、2017年に「健康経営宣言」を策定し、心身ともに充実した組織・従業員による上質なサービスの提供と、社会環境変化に対応し得る生産性の向上をめざし、健康経営を推進しています。

疾病の早期発見・重症化予防に重点をおいた健診メニューの充実や、生活習慣病予防に向けた健康行動の促進、ワークライフバランスの実現に向けた働き方改革や安全衛生など、産業医・人事部・健康保険組合が連携し、従業員の健康保持・増進への取り組みを進めています。こうした取り組みにより、2020年より5年連続、経済産業省の健康経営優良法人(大規模法人部門)に認定されています。

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エンゲージメント向上

エンゲージメント

エンゲージメントは、人的資本経営推進の重要な要素として、グループ会社やお取引先従業員(百貨店におけるローズスタッフ。以下、RS)を含む従業員エンゲージメントの可視化・向上の取り組みを推進しています。メンタルヘルス(ストレス)とエンゲージメントを同時に測定し、組織の状態を細かく可視化、課題解決への対策につなげています。職場環境や組織風土の改善、各種制度の拡充や納得性のある人事制度運営などに加え、各組織別の調査結果を踏まえ、課題把握と改善策を職場単位で検討・実施し、PDCAサイクルに基づき、進捗状況を検証・確認していきます。

また、百貨店の店頭で販売の最前線を担うRSも価値創造の重要なパートナーとして位置づけ、エンゲージメント向上のための全店アンケート調査を定期的に実施。「満足度」や「悩み・不満」を可視化し、改善に向けたアクションを適時行うことで満足度の向上を図っていきます。こうした取り組みを通じ、働きがいの創出や生産性の向上、人材の定着化や一体感の醸成につなげ、持続的成長が可能な体制構築をめざしていきます。

風通しのよい職場づくり

一人ひとりが日々働きがいを感じ、いきいきと能力を発揮できる環境づくりに向け、個人の思いやアイディアなどを伝える多様な仕組みを整備しています。社内にあるすべての声や職場課題を収集し、労使が対等に議論する場としてのSAY活動は1970年代より継続しており、さまざまな課題改善につながっています。

また、社長と現場で働く従業員のダイレクトコミュニケーションの場として、お客様の声をベースに品揃えや販売サービス・販売促進策・店内環境などの改善を図ることを目的に議論する「社長ミーティング」、髙島屋グループの経営、業務、営業全般に関わる強化・改善へのアイディアを募集する「提案運動」など、個人の意見を吸い上げる仕組みにより活発な風土づくりにつなげています。

  • イメージ画像 SAY活動啓発ポスター