サステナビリティ

Sustainability

環境

循環型ビジネス

UNCTAD(国連貿易開発会議)によると、繊維・アパレル産業は、石油産業に次いで世界で2番目に環境を汚染している産業に挙げられています。年間9,200万トンもの廃棄物を発生させ、繊維製品の約6割は、石油由来のポリエステルなどを原料としているため、環境への影響が大きいとされています。

ファッションアイテムは、百貨店の主力商品です。高島屋では、不要となった衣料品の回収・再生・販売の循環型スキームを構築し、「売りっ放し」からの脱却を目指します。同時に、「再生し続ける服や雑貨」を提供することにより、新たな地下資源を使用することなく、サステナブルなビジネスモデルへの変革を推進していきます。

再生ポリエステル活用のモノづくり

“服から服をつくる”をコンセプトに、不要になった衣類を回収して、その中のポリエステル100%衣類や工場から出る端材を原料にして再生した、サステナブルなポリエステル「BRING Material™(ブリングマテリアル)」。「Depart de Loop」プロジェクトはこの素材からスタートしました。今では〈HERNO〉や〈ANREALAGE〉ほか、多くの国内外ブランドやデザイナーとのコラボレーションも実現し、幅広いアイテムをお客様に提案しています。

  • 〈HERNO〉とコラボレーションしたダウンコート。〈HERNO〉とコラボレーションしたダウンコート。

「デニム再生プロジェクト」の推進

役目を終えたデニム衣料品を、購入店やブランド、点数を問わず、お客様から店頭で回収する「デニム回収キャンペーン」を2022年に初めて実施。5店舗で約1,611㎏(デニムパンツ約4,500本相当)が集まりました。回収したデニムは、高島屋とパートナーシップを組むクラボウのアップサイクルシステム「L∞PLUS(ループラス)」を通して、選別・反毛・紡績を施し、染色・織布・加工。2023年春から、〈RED CARD TOKYO〉の新作デニムとして生まれ変わり、店頭販売をスタートしました。

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7店舗で「コスメ回収キャンペーン」を実施

2023年2月には、お客様がご不要となったメイク用品を店頭で回収する「コスメ回収キャンペーン」を、7店舗で実施し、回収量は約266kgとなりました。回収したメイク用品は、アップサイクルプロジェクト「COSME no IPPO」を通して、順次「クレヨン」として生まれ変わり、2023年夏以降に店頭で販売。さらに回収した空容器は、リサイクルパートナーを通してマテリアルリサイクルを行い、環境資源などに生まれ変わります。

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学生とのコラボレーションによる「カシミヤ再生プロジェクト」

「タカシマヤカシミヤコレクション」では、「Depart de Loop」で協業するリサイクルパートナーのシステムを活用し、2021年秋以来、資源の有効活用と環境負荷を減らすサステナブル企画として、お客様から回収したカシミヤニットなどをアップサイクルした「再生カシミヤ混ニット」を製品化しています。3年目を迎える2023年には、「モノとモノ」だけでなく、「人と人」を未来につなぐ取り組みとして、「高島屋×文化服装学院カシミヤ再生プロジェクト」に新たにチャレンジ。学生たちの新鮮な感性から誕生した「再生ニット」が店頭に並びました。

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「Depart de Loop」従業員インナーキャンペーンの実施

当社では、サステナブルな循環型社会の実現を目指したプロジェクト「Depart de Loop」の取り組みを通じ、不要となった衣料品を回収・再生・販売する循環型スキームを構築。「売りっ放し」からの脱却を目指すと同時に、「再生された服や雑貨」を提供することにより、新たな地下資源を使うことなく、サステナブルなビジネスモデルへの変革を、お客様やお取引先と共に推進しています。「Depart de Loop」を浸透させるためには、従業員がプロジェクト趣旨を理解・賛同し、自らがお客様に対して積極的に働きかけることが重要です。そこで当社では、お取引先からの派遣スタッフも含めた全従業員を対象に、労使の取り組みとして「衣料品回収キャンペーン」を百貨店全店舗で実施しています。「衣料品回収キャンペーン」では、従業員やその家族が長年着用し、不要となった衣料品を回収するだけでなく、再生ポリエステルを使用したエコバッグの利用を促すなど、環境意識醸成につなげています。

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