サステナビリティ

Sustainability

環境

廃棄プラスチック削減

プラスチックの生産量と廃棄量は増加の一途をたどり、2050年には、海洋に投棄されたプラスチックごみの量が海洋中の魚の量を上まわるといわれています。世界中でプラスチック廃棄量の削減、リサイクル活用の促進が求められる中、日本国内においても2022年4月、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行されました。

特定プラスチック製品を提供する事業者に該当する高島屋グループの対象会社では、ワンウェイプラスチック製品の使用合理化に向け、店頭でのお客様へのお声かけによる協力要請、POPやポスターでの啓発活動、プラスチック用度品の薄肉化や代替素材の活用などにより、継続的にプラスチック廃棄物の削減に取り組んでいます。

また、施設から廃棄されるプラスチック廃棄物についても、新たな素材原料へのマテリアルリサイクル化に向け、再生パートナーと連携し取り組身を推進しています。

ワンウェイプラスチック製品の使用合理化

製品の設計からプラスチック廃棄物の処理までに関わるあらゆる主体におけるプラスチック資源循環等の取り組み(3R+Renewable)を促進するため、2022年4月「プラスチック資源循環法」が施行されました。

法施行により、小売・サービス事業者などに対しては、消費者に無償提供しているワンウェイプラスチック製品の使用合理化と、プラスチック廃棄物の排出抑制・再資源化への対応が求められています。当社では、お取引先も含めた提供量の実態調査を実施し、店頭でのお声かけやポスターなどによる啓発活動、取引先有料化への対応、代替素材への変更等を行い、2030年削減目標△30%(2020年比) に向け、ワンウェイプラスチックの提供量削減に取り組んでいます。

【ワンウェイプラスチック製品 使用量削減目標(高島屋及び岡山高島屋・岐阜高島屋・高崎高島屋)】

提供量(※原単位)kg/百万円 削減率(2020年比)
基準年(2020年) 0.216
目標(2030年) ▲30.0%
実績(2023年) 0.117 ▲46.2%

※単位設定:プラスチックカトラリーの提供が特に多い食料品売場における惣菜、洋菓子、食堂・喫茶の主要お取引先店舗及び当社自主売場におけるワンウェイプラスチック製品使用量+当社ツーリストハンガー提供量合計(kg)/食料品売場における惣菜、洋菓子、食堂・喫茶品番売上+紳士服・婦人服におけるスーツ、コート、ジャケットなど関連アイテム売上の合計

  • イメージ画像廃棄プラスチック削減を
    呼びかけるポスター

衣料品ビニールカバーのマテリアルリサイクル

百貨店や専門店で販売するアパレル商品には、洋服を汚れなどのダメージから守るため、納品時や倉庫保管時には、ポリエチレン製のビニールカバーが掛けられていますが、商品を販売する際には、その衣料品ビニールカバーは廃棄されていました。玉川高島屋S.C.では、テナント様ごとの廃棄物量やリサイクル率を管理し、日々のごみの分別を徹底。分別した衣料品ビニールカバーは、2022年7月より〈レコテック株式会社〉との協業プロジェクト「POOL PROJECT」を通じて、新たなプラスチック原料へと再生されています。現在は、玉川高島屋S.C.の取り組みを、新宿タカシマヤタイムズスクエア、日本橋高島屋S.C.と、東京都内3施設で実施しています。また、「POOL PROJECT」とは異なるスキームとなりますが、2025年3月より、横浜店において、納品車両の静脈物流を活用した衣料品ビニールカバーのマテリアルリサイクルを開始しました。今後は展開施設を順次拡大し、廃棄プラスチックの削減とマテリアルリサイクル率向上に取り組んでいきます。

POOL PROJECT

【プラスチック廃棄物の排出・再生化状況について】

プラスチック廃棄物排出量(kg) リサイクル率(%)
※サーマルリサイクル含む
2023年度実績 1,358,244 96.4%
目標に対する状況 目標:前年比△1.0%
実績:+0.2%
目標:前年を上回るリサイクル率
実績:△0.1%

※上記は高島屋及び岡山高島屋・岐阜高島屋の各店舗からの排出量

脱段ボール化促進

百貨店の店舗で排出される廃棄物のうち、段ボールごみは約3割を占めています。その大半は納品時に使用され、その後不要となり、廃棄されるものです。当社のお取引先が店舗に納品を行う際に、エコビズ社が開発した通い箱「Eco Biz Box(以下エコビズボックス)」を繰り返しご利用いただくことで、廃棄段ボールを削減していきます。

2022年3月から、日本橋高島屋S.C.本館で衣料品の納返品時にエコビズボックスを使用し、脱ダンボール化の取り組みをスタート。2023年には取扱店舗は8店舗まで拡大しました。今後、参画いただけるお取引先を増やすとともに、将来的には全店に拡大することで、2030年に当社から廃棄される段ボール量を約3割(廃棄物総量の約1割)削減することを目指していきます。

百貨店における環境配慮型資材の活用と循環の取り組み

百貨店では、2020年4月のレジ袋有料化に対応し、植物由来原料を90%配合したバイオマスプラスチック製レジ袋へと仕様変更を行い、環境負荷の軽減に努めてまいりました。一方で、仕様変更以前に使用していた旧レジ袋が在庫として多く残っている状況が課題となっていました。そこで2025年5月より、パートナー企業との協業により、旧レジ袋約4.8トンを物流用の梱包フィルムやポリ袋へとマテリアルリサイクルし、社内での資材循環を開始しました。
また、2025年9月より全国に約3,100台設置されているPOSレジで使用している「伝票袋」についても、従来のプラスチック製から非プラスチック素材へと変更し、廃プラスチック削減の取り組みを推進しています。
これらの施策は、環境負荷の低減と資源の有効活用を両立させるものであり、持続可能な社会の実現に向けたESG推進の一環として、今後も継続的に取り組んでまいります。

POOL PROJECT