#01 香典返しに対してのお礼は必要?
通夜や葬儀に参列する際、先方にお渡しする香典。そのお返しとして、四十九日の忌明け以降にいただくのが香典返しです。直接手渡しをしていただいた場合はその場でお礼を伝えられますが、香典返しが配送で届いた場合、贈って下さった相手にはどのようにお礼をすればいいのでしょうか。香典返しに対するお礼について、マナーとあわせてご紹介します。
香典返しのお礼を伝えないことは失礼にはあたらない
香典返しに対しては、特にお礼をする必要はありません。香典返しは「故人に関する一切の仏事が滞りなく済んだ」という報告とお礼を意味するものです。そのため、香典返しが届いた段階でお互いにひと区切りとするのが適切です。また、香典返し自体がすでに香典へのお返し、返礼という意味合いを持つ品であり、お礼にさらにお礼で返してしまうのは失礼にあたりますので、お礼は避けましょう。
#02 香典返しのお礼をする際の4つのマナー
香典返しへのお礼は不要ではありますが、いただいたままでは気持ちが落ち着かないという方もいらっしゃるかもしれません。その場合、「香典返しの品物へのお礼」ではなく、「香典返しが無事到着したこと」についてのご報告という体裁でご連絡をするという方法があります。ご報告の際には、以下のことに注意しましょう。
重ね言葉は使わない
同じ意味や音の言葉を繰り返す「重ね言葉」は、慶弔においては「不幸の繰り返し」を連想することから、避けるべき言葉とされています。これはもちろん香典返し到着のご報告においても同じです。「重ね重ね」「わざわざ」「くれぐれも」「たびたび」「返す返すも」といった言葉は使わないようにしてください。
簡潔にまとめて伝える
本来不要である香典返しへのお礼。ですから、ご報告という体裁でご連絡をするにあたっても、手紙を長々としたためたり、電話で長く話したりすることは避けましょう。品物が届いたことのご報告と、ご遺族の皆さまを労わる思いを、ごく簡潔に伝えるようにしましょう。
品物に対して褒めない
品物をいただいたお礼となると、「けっこうなものを頂戴し」「好物をいただきまして」とつい品物に対して褒めてしまったり、嬉しい気持ちを伝えてしまったりすることがあるかもしれません。しかし、香典返しは弔事のため、避けてください。品物についての言及自体をしない方が賢明です。
「ありがとう」という表現は避ける
上記同様、弔事において嬉しさ、喜びといった感情をお伝えするのは避けたいもの。文面においても、また電話であっても、「ありがとう」という表現をしないよう気をつけてください。「恐縮です」「恐れ入ります」といった言葉を使うようにしましょう。
あくまでも弔事であることに注意し、言い方に気をつけて気持ちをお伝えしましょう。
#03 香典返しのお礼を伝える方法
手紙はがきでの伝え方
電話での伝え方
香典返しが到着したことを伝えるにあたっては、いくつか方法があります。まずは手紙やはがきです。手書きで文章をしたためれば、お相手に丁寧な印象を与えるでしょう。また、故人や遺族の方と親しい間柄であれば、メールでのお伝えでもかまいません。お相手を気遣う言葉も添えると、なお良いでしょう。また、電話でご報告をすれば、お相手に直接気持ちをお伝えすることができます。ただし、香典返しは参列者の方に一斉にお贈りしていることが多いため、ご報告も重なる可能性があることを忘れないようにしましょう。また、迷惑にならない時間にかけるようにしてください。
いずれの方法でも、あくまでも簡潔に品物が届いたご報告と感謝を述べつつ、直接的なお礼の言葉や重ね言葉を避けるよう注意してください。
#04 香典返しのお礼を伝える際の例文を紹介
香典返しの品物が届いた報告をお相手にお伝えする一般的な例文をご紹介します。親戚、友人など関係が近いお相手であれば、表現を多少崩してもかまいません。なお、親しいお相手に対しては「拝啓/敬具」といった頭語・結語は必ずしも入れる必要はありません。もし入れる場合は必ずセットにしましょう。
●文例1
拝啓
本日 お返しのお品を無事に拝受いたしましたことをご報告いたします
大変な中 お気遣いくださり誠に恐縮に存じます
皆さま どうぞご自愛くださいませ
失礼ながら書中にてご挨拶申し上げます
敬具
●文例2
拝啓
早春の候 皆さまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか
このたびはご供養のお品をお贈りいただき 誠に恐れ入ります
お忙しい中 このようなお気遣いに恐縮しています
お疲れが残っていることとは存じますが ご無理をなさいませんようお気をつけください
失礼ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
●文例3
拝啓
暑い日が続きますが いかがお過ごしでしょうか
さて 本日忌明けのお品が届きました
ご丁寧なお心遣いをいただき 誠に恐縮しております
ご多忙かと存じますが どうかご無理をなさらず 大切になさってください
失礼ながら書中にてご挨拶申し上げます
敬具
#05 香典返しを辞退する際のマナー
故人やご遺族と非常に親しく、負担を少しでも減らしたいと思われる場合や、連名で香典をお渡ししており少額であった場合などに、香典返しを辞退することは特段失礼にあたりません。香典を辞退したいと思われた際は、口頭ではなく文字でお伝えするようにしましょう。「香典返しはご辞退申し上げます」「お返しのご配慮は遠慮させていただきます」などのメッセージを書いた紙を、香典の内袋に入れておくとよいでしょう。
なお、香典返しを辞退した場合、ご遺族からお礼状が届くことが一般的です。香典返しのお礼同様、お礼状に対してのご連絡は不要です。
#06 まとめ
香典返しのお礼に関するやりとりには、さまざまなマナーがあります。しかし、一般的な弔事のマナーに準ずると思えば、決して難しくはありません。大切な方を失って気を落とされているご遺族を思いやる気持ちを忘れず、婉曲的な表現で感謝の気持ちをお伝えするようにしましょう。