
お返し
【知っておきたい、香典返しの相場。基本を押さえて、感謝の気持ちを伝えることが大切です。】
香典返しとは、故人に関する仏事が一通り済んだという報告と、香典へのお礼として品物を贈る習慣です。通夜や告別式の当日に会葬者すべてに遺族からお礼の気持ちとして差しあげる「会葬御礼」とは別です。「会葬御礼」は、挨拶状、清め塩と合わせて五百円から千円程度の品物を渡します。ここでは、香典返しの金額の相場や品物をお伝えいたします。
2017年2月8日
葬儀では香典のほかに供花や弔電をいただくことがあります。また、親族や近隣の方、会社の同僚などにお手伝いをお願いすることもあるでしょう。そうした場合のお礼は一般的な香典返しとは違ってどのようにしたらよいか迷われる方も多いかもしれません。そこで供花・弔電・手伝いへのお礼についてご説明します。
供花には、参列された方が香典とともに花も供えてくださる場合と、参列できなかった方が、せめてお花だけでもと贈ってくださる場合があります。また、法人や同僚・同級生など複数の方々で供えてくれることも多いものです。いろいろなケースがあり、お返しには悩むところですが、もともと供花は故人への供養の気持ちですので、原則としてお返しは不要となります。ですが、それでは礼を欠くと考える方は、香典返しにやや予算を上乗せしてお返しするのが一般的です。親族からの供花にはお返しは必要ありません。また、供花だけいただいた場合、会社や複数の方からであれば品物のお礼はいりませんが、個人の場合は1万円のお花であれば5,000円程度の品物をお返しするとよいでしょう。品物のお礼はしなくともお礼状は必要です。葬儀から1週間以内を目安に手紙で差し上げるのがマナーですが、会社や取引先など仕事の関係者であれば忌引き明けの出社日に直接あいさつをするか、メールであいさつ文を送っても構いません。
弔電は供花に比べ高額ではないので、品物よりも気持ちを言葉で伝えるお返しを。手紙で弔電のお礼を述べ、式の様子を報告する文を添えると、遠方などで参列できなかった方にも安心していただけるでしょう。仕事の関係者であれば、供花同様にメールでのあいさつをすみやかにお送りします。
拝啓
このたびは、亡き◯(続柄) ◯◯(名前)儀 葬儀に際しまして、お心のこもったご弔電を賜りまして誠にありがとうございました。葬儀はあいにくの雨となりましたが、おかげさまで無事済ませることができました。ここに生前のご厚情に感謝し、今後も変わらぬご厚誼を賜わりますようお願い申し上げます。略儀ながら書中をもちまして、ごあいさつ申し上げます。
敬具
通夜、告別式では、親しい友人やご近所の方に手伝いを依頼したり、親族が率先して手助けしてくださったりする場面もあるでしょう。こうした場合のお礼は高額な品物はかえって避けたいもの。なぜなら、葬儀は昔から互いに助け合う習わしがあり、ご厚意には甘えさせていただくのもおつきあいのひとつだからです。それだけにお礼の気持ちをきちんと言葉でお伝えするのが礼儀となります。葬儀後なるべく早いうちに、直接ごあいさつに伺います。そのとき、1,000円程度の予算でお菓子などをお贈りするとよいでしょう。グループでお手伝いいただいた場合は、少し予算を上乗せして、その集まりでつまんでいただけるお菓子を持参します。もし特にお世話になって、どうしてもお礼の品を差し上げたい場合には、不祝儀ですから「消え物」と呼ばれる使えばなくなる消耗品がよいでしょう。せっけんやタオルなら、不幸を“洗い流す”という意味もあります。受付などを依頼した場合は、白い封筒に5,000円~1万円を「御礼」と書いて感謝の言葉とともに手渡します。
葬儀にはさまざまな方の厚情が寄せられます。ご遺族にとっては大変な時期ではありますが、気持ちには気持ちでお返しすることが一番ですので、なるべく早い時期に手紙や直接のあいさつによる言葉でお礼を伝えましょう。品物については臨機応変に、決して大げさでないものを用意することが肝心です。