太古の昔、琵琶湖の湖底だった地層から採れる陶土は耐火度が高く、江戸時代より直火の土鍋、行平、土瓶などが伊賀では作られてきました。伊賀の陶土は中に炭化した植物を多く含んでいるため、焼成すると多孔性の素地になります。そのため土鍋本体がしっかりと熱を蓄えて食材の芯までじっくりと火を通し、旨みを逃がさず美味しい料理に仕上げます。縞模様が植物の十草に似ていることから、まっすぐに伸びるその姿が成長や繁栄につながる縁起の良い柄として愛される十草模様。薄い釉薬を刷毛で塗り付けた後、筆で縦の線を職人が均一に引いて仕上げます。