#02 Domaine LEROY(ドメーヌ ルロワ)のグランクリュ産地
1988年、高島屋はLEROY(ルロワ)社と資本提携。マダム・ルロワとともにビオディナミワインの普及に取組み、日本のお客様にルロワワインのおいしさをお届けしています。2018年に高島屋バイヤーがDomaine LEROY(ドメーヌ ルロワ)の原料となるブドウを栽培しているグランクリュの畑、9カ所を訪問した際のレポートをお届けします。(栽培面積等は2018年当時のデータです)
シャンベルタン
栽培面積:13.57ha(ルロワ:0.7ha)
「ベルタン氏の畑」が名前の由来で、ルイ16世やナポレオンなどの著名人に愛されたとも伝えられる区画。土壌は複雑で、斜面最上部から下部に向かってプレモー石灰岩→粘土質石灰岩→泥灰岩→ウミユリ石灰岩と4種類の母岩から構成されます。4つの区画を所有しビオディナミを徹底した畑は、隣接する他の畑と力強さの点で明らかな違いを示します。緩やかな斜面に位置し、日当たりや水 はけも良好。動物的かつエレガント、Domaine LEROY(ドメーヌ ルロワ)の代表的なスタイルはここから生まれます。
ラトリシエール シャンベルタン
栽培面積:7.31ha(ルロワ:0.57ha)
ジュヴレ シャンベルタン村の最南に位置する区画。名前の由来である「痩せた土地」の如く土壌が薄く、斜面最上部から下部に向かってプレモー石灰岩→粘土質石灰岩→ウミユリ石灰岩で構成されています。シャンベルタンと比較するとやや平坦で、Domaine LEROY(ドメーヌ ルロワ)の区画は1つ。畑西部が谷に接している事から風通しが良い印象で、7月中旬の現地訪問時には2メートルに迫る台木が確認されました。力強さに加え酸を持ち合わせるのが想像できます。
クロ ド ラ ロッシュ
栽培面積:16.62ha(ルロワ:0.66ha)
モレ サン ドニ村の最北に位置し、相対的に傾斜の大きい斜面中腹にある区画。石の多い粘土質石灰質で表土が形成され、その地表近くまで母岩のナクレ岩が迫っています。グランクリュ街道から西の斜面側に2区画を所有。西側には傾斜の激しいジュヴヌリエール、東側には平坦なクロデゾルムなどの1級畑が位置しており、Domaine LEROY(ドメーヌ ルロワ)のある斜面中腹はまさにベストポジション。
ミュズニー
栽培面積:10.67ha(ルロワ:0.27ha)
シャンボール ミュズニー村の南端に位置し、隣接するクロ ド ヴージョから段差を越えた斜面上部に広がる。勾配がきつくまた日当たりも抜群によいとされる区画で、コンブランシアン石灰岩の母岩の上に広がる粘土質と泥質の土壌は、上部に行くほど薄くなります。Domaine LEROY(ドメーヌ ルロワ)の中で最小の区画であり、3箇所を所有。谷が隣接し、標高も他のDomaine LEROY(ドメーヌ ルロワ)の畑と比較して一段高いため、7月訪問時の生育状況もやや遅め。若いうちは閉じ気味だが、熟成とともにルロワの最高峰ワインへと変貌を遂げます。
クロ ド ヴージョ
栽培面積:49.43ha(ルロワ:1.90ha)
東向きのなだらかな斜面となっているブルゴーニュ最 大のグランクリュ。土壌は上部から下部に向かって、表土の薄い砂利質→小石の多い褐色石灰質と粘土質→粘土質とこまかい泥質となっています。LEROY(ルロワ)社は3区画を所有。西寄りの1区画はミュズニーに隣接し勾配のある斜面に位置します。残りの東寄りの2区画は標高が低め。異なる3区画を所有することでDomaine LEROY(ドメーヌ ルロワ)らしい複雑で重厚なスタイルに繋がるものと実感。
リシュブール
栽培面積:7.89ha(ルロワ:0.77ha)
ヴォーヌロマネ村の中部に位置し、東北東から南東向きの斜面が広がる区画。ロマネ コンティに接するレ リシュブールと、背斜谷寄りのレ ヴェロワイユというふたつの小区画で構成されます。土壌は粘土と泥土で構成され、石灰質の母岩上に薄く広がります。東西に延びる2つの区画を所有。他の世界的なドメーヌの畑が隣接していますが、Domaine LEROY(ドメーヌ ルロワ)の畑は青々と生い茂り強い生命力を感じさせます。若い頃は力強さと骨格が前面に出る一方で、長期熟成と共にエレガントさが加わる王道にして至高の畑。
ロマネ サンヴィヴァン
栽培面積:8.45ha(ルロワ:0.99ha)
ヴォーヌロマネ村の中では標高が最も低く、面積も最も広いグランクリュ。傾斜がほとんどなく平坦で、酸化 鉄を含んだ茶褐色で粘土質の強い土壌がバジョシアンのウミユリ石灰岩主体の母岩上に広がります。Domaine LEROY(ドメーヌ ルロワ)のリシュブールに隣接する東側の1区画を所有。台木はリシュブール同様に荒々しく育っています。ヴォーヌロマネの中で最も女性的であり、年代や熟成度合いによって多様な表情を持つ魅惑的な畑。
コルトン ルナルド
栽培面積:10.62ha(ルロワ:0.50ha)
傾斜の大きい東北東斜面の中腹に位置する、アロース コルトン村で最北の区画。中間に石灰岩の断層があり、上部では粘土質が強く、下部では石灰質が強いとされます。Domaine LEROY(ドメーヌ ルロワ)の中では最南に位置し、区画は1箇所。畑は勾配がきついコルトンの丘にあり、野性的な印象。畑のイメージ同様若い うちはとても荒々し味 わいであるが、豊かな果実味があり、熟成のポテンシャルを持ちます。
コルトン シャルルマーニュ
栽培面積:52.08ha(ルロワ:0.43ha)
丘の裾野が3村にまたがり区画によって斜面の向きが大きく異なるものの、概ね日照量が豊かな点が特徴となる区画。表土には小石が多く、石灰質と泥灰質からなる土壌とナクレ石灰岩の母岩で構成されます。コルトンルナルドの北側、ルコルトンの区画に2箇所を所有。Domaine LEROY(ドメーヌ ルロワ)のグランクリュ格付の中で、唯一の白ワインを生み出すシャルドネの台木もダイナミックです。コルトン シャルルマーニュの香ばしい蜂蜜のアロマはこの畑の産物。