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2022.09.20

デニム再生プロジェクト (3)紡績

MD本部バイヤー / 橋 祐介

引き続き、デニム再生プロジェクトのレポートをいたします。
いよいよ紡績(糸をつむぐ)工程。

回収したデニムだけで
糸を作れたらもちろん良いのですが、
品質や色味、繊維の長さなどが均一ではないので
バージンコットン(新品のコットン)と
混ぜ合わせて洋服に使える糸にします。
デニムの風合いが残るブルーのワタと
まっさらなホワイトのワタを機械にセットして
ブレンドしていきます。

この混打綿(こんだめん)という工程を経て
次は梳綿(りゅうめん)へ。
もつれあった繊維を
解きほぐして1本ずつの繊維に分け、
まっすぐに揃えながら
スライバー状(太いひも状の束)にしていきます。

続いては練条(れんじょう)。
スライバーを更に均一な太さに整える工程です。
品質を安定させるために
再びバージンコットンをブレンド。
クラボウさんならではの技術で配合します。
再生素材の比率は下がりますが
すべては品質の良いデニムをお客様に届けるため。
長年の経験と独自の技術に裏打ちされた
確かな品質がここにあります。

そして、粗紡→精紡→仕上げの工程へ。
通常のコットンの紡績と
同様のプロセスを経て、糸にしていきます。
粗紡(そぼう):
スライバーを更に引き伸ばし、甘く撚りをかける
精紡(せいぼう):
粗紡でできた糸を撚りながら伸ばし、
強度のある糸にし、ボビンに巻いて管糸にする
仕上:糸を円錐状のコーンや円筒状のチーズという状態に巻きあげる

長い長い道のりを経て、
皆様から回収したデニムはようやく糸になりました。
世界中で様々な再生素材が広がりを見せていますが
裏側には、こうした手間のかかる工程に
果敢に挑戦されている
企業・工場様の存在があるからこそ
僕たちは再生素材を使って
お客様に提案することができる。
実際に再生の現場へ入り、
改めて本プロジェクトの意義を確認できました。

さて次回は、広島・岡山編。
染色、織布、加工に行ってまいります!では。

BUYER HASHIS  PROFILE

橋 祐介 / バイヤー

橋 祐介 / バイヤー

古着屋でのアルバイトに没頭した学生生活の後、特選(ラグジュアリーゾーン)のバイヤーと兼務で、本プロジェクト担当。名画座と純喫茶が好き。

岡田 ひかり / 化粧品バイヤー

岡田 ひかり / 化粧品バイヤー

化粧品の自主編集売場を担当。もんじゃ焼きが好き。趣味はクラシックバレエ。人生もバレエもバランスが大切。