玉川高島屋SC

Artist:
SOREMO
MATAYOSHI

展示場所:
本館1F GRAND PATIO

展示期間:
2023年6月1日〜
8月31日

コーディネーター高須咲恵さんが、毎回1人の国内外の注目アーティストをピックアップし、そのアーティストへのインタビューとともに作品を紹介する企画です。今回登場するのは、SOREMOMATAYOSHIさん。活動のテーマや、作品を通じて発信したい思いなどについてお聞きします。

街灯の虹.

街灯の虹

街灯の虹

街灯の虹

Artist:
SOREMOMATAYOSHI

コーディネーター高須咲恵さんが、毎回1人の国内外の注目アーティストをピックアップし、そのアーティストへのインタビューとともに作品を紹介する企画です。今回登場するのは、SOREMOMATAYOSHIさん。活動のテーマや、作品を通じて発信したい思いなどについてお聞きします。

展示場所:本館1F GRAND PATIO
展示期間:2023年6月1日〜8月31日

-アーティスト活動を始めたきっかけを教えてください。

小さい頃から家で手芸や工作をちょこちょこやっていたり、学生時代にはフリーペーパーを発行したり、とにかく作ることが好きだったんです。だから、「何か作る世界に関われたらいいな」とは漠然と考えていました。転機となったのは、琉球大学法文学部在学中の2015年から行ったニューヨーク留学。日本をテーマにしたギャラリーで半年間インターンをした際に、現地で活動している日本人アーティストに「絵を描きたいのか、アーティストのそばでサポートをしたいのか、どっちなの?」と聞かれて。やっぱり絵を描いて自分で作るほうが楽しいですし、今からアーティストを目指してもいいな、と思うようになりました。

ニューヨークで初めて描いた壁画DMAB4SとSpentrophyと共に

ニューヨークで初めて描いた壁画DMAB4Sと
Spentrophyと共に

-SOREMOMATAYOSHIさんは出身地である沖縄をモチーフに絵画やドローイング、壁画、映像、音楽などを制作されていますね。どれも明るくポップな色使いが印象的な作風なのはなぜですか?

もともと明るい色が好きなんです。また、ニューヨークで壁画を描いた経験があり、「街を楽しくワハハとさせる」というテーマでしばらく活動していたことも関係しています。帰国後も実家の外壁に絵を描いたんです。実家がスクールゾーンにあるので、「いつも楽しみにしながら通学路を歩いている」と子どもたちがすごく喜んでくれたんです。それで「自分も街に関わり人を楽しくさせることができるんだ」と気づきました。自分自身、生まれ育った沖縄の街や、歴史を生き抜いてきたおじい、おばあに“ありがとう”という気持ちがありますし、だからこそ「もっとハッピーで楽しい感じになったらいいな、していきたいな」という想いが生まれました。これが作風にもつながっている気がします。

沖縄の家の壁画

沖縄の家の壁画

-SOREMOMATAYOSHIさんのTwitterでは2020年から「おもしれーことはめちゃくちゃ身近にある」というツイートが固定されていますが、ご自身にとって大切な言葉なのでしょうか?

留学から帰ってきた時に、「改めて見ると沖縄っておもしろい、むしろ自分の身近な場所にほどおもしろいことは転がっているのかも」と感じたんです。一度、慣れ親しんだ沖縄から離れたからこそ、それまで見えていなかった部分が見えるようになりました。

左/ハイサイ 右/ナカハラストア〜入り口

左/ハイサイ 右/ナカハラストア〜入り口

-その変化をより顕著に感じた経験はありましたか?

毎日続けているドローイングです。モチーフは玄関を出て身近にある場所から見つけます。いつも代わり映えしないように思えても、昨日は咲いていなかった花が今日は咲いているし、よく見たら知らない虫がいることもある。そういう些細なことを1日ひとつずつ発見することに充実感や驚きを抱くと、はっきりと「今日、また新しい1日を迎えた」みたいな実感が得られるんです。そうした“発見”が、自分にとって生きることや生活するうえで大きな鍵になっています。

いつも、どこにいても、さいている花

いつも、どこにいても、さいている花

-些細でも、新しいことや想像していなかったこと、突拍子もないことにときめきを感じるのですね。

そうだと思います。だから、何か発見があったらいいなと思って物事を意識して見たり、目に入るものを常に観察したりしていますね。思い返してみると、こうしたものの見方がついたのは小学生の頃でした。ある時、自由研究のために遠くの植物園に行ったんです。へとへとになって帰宅して、植物園で撮影した写真を見返したら、家の庭や近所に生えているのと同じ植物がたくさん写っていました。「わざわざ遠くへ行かなくても、身近にいくらでもおもしろい植物があったんだ」と、それまで見ていた景色がまったく違って見えたんですよ。そういうふうに、みんなにも「びっくりする体験をしてほしい」「自分のいる場所が実はおもしろいことを知ってほしい」という気持ちが強くて。だから最近は「おもしれーことはめちゃくちゃ身近にある」を活動のテーマに、作品制作だけでなく、ワークショップや音楽制作など、さまざまな表現方法で活動をしています。

左/児童館のワークショップイベント。近所の子ども達も手伝いに来る 右/末吉公園でアートチャレンジを開催した際に作った冊子

左/児童館のワークショップイベント。近所の子ども達も手伝いに来る 右/末吉公園でアートチャレンジを開催した際に作った冊子

-今回、GRAND PATIOではどのような作品を展示する予定ですか?

「おもしれーことはめちゃくちゃ身近にある」をテーマに制作した作品のひとつ、「お」という文字が入った絵を展示予定です。そして、自分自身が実際に二子玉川に行ったときにどのような発見するのかすごく気になっているので、現地でも絵を描こうと思っています。沖縄には大きい川がないので、大きい川(多摩川)がある街を楽しみにしています。二子玉川で見つけた植物を用いたワークショップも企画しているので、楽しんでいただけると嬉しいです。

左/お(もしろいことはめちゃくちゃ身近にある) 右/古い木の電柱をたどっていくと

左/お(もしろいことはめちゃくちゃ身近にある) 右/古い木の電柱をたどっていくと

SOREMOMATAYOSHI

Artist

SOREMOMATAYOSHI
それもまたよし


1992年沖縄県那覇市生まれ。文部科学省「トビタテ!留学JAPAN」2期生、2016年琉球大学法文学部人間科学科哲学コース卒業。大学在学中ニューヨークでの留学をきっかけに活動を開始。沖縄県那覇市を拠点とし、近所や景色をテーマに壁画、絵、絵本などを制作。現在、児童館に勤務、近所での絵画教室のボランティア活動をしている。
主な個展
2016年 那覇「それもまたヤシ展」Baby Baby Hamburger and Books 2021年 浦添「SOREMOMATAYOSHI exhibition 」港川レストラン
rat &sheep
2022年 那覇「ありがとうナカハラストア~展」大名町公民館


高須咲恵

Art Curation

高須咲恵
SAKIE TAKASU


自身がアーティストやキュレータなど様々な立場で活動している背景から、企画から制作まで多様なプロセスをアーティストと共にし、「空間と人と作品の関係」を模索。リサーチベースのプロジェクトにも数多く参加し、特に都市における公共空間で複数の実験的なプロジェクトを展開。アートユニット「SIDE CORE」の一員として活動する他、宮城県石巻市で開催されてた「Reborn-Art Festival 2017」アシスタントキュレータとして参加、沖縄県大宜見村で開催されている「Yanbaru Art Festival」内では廃墟での会場構成を行うなど多くのプロジェクトに携わっている。

BACK NUMBER

  • Artist:RYOTA KIKUCHI
  • Artist:CHISEI KOBAYASHI
  • Artist:SCHOKO TANAKA
  • Artist:YURI KEZUKA
  • Artist:SOREMOMATAYOSHI
  • Artist:TARO TAKAOKA
  • Artist:Koji Yamaguchi
  • Artist:Yusuke Asai
  • Artist:Nampei Akaki
  • Artist:Sablo Mikawa
  • Artist:Tomomi Nishizawa
  • Artist:KINJO
  • Artist:AKI INOMATA
  • Artist:Kentaro Minoura
  • Artist:Russell Maurice
READ MORE

Artist:SOREMOMATAYOSHI