龍村平藏「羅」への挑戦
龍村平藏代々の歴史ともいえる
新しい「羅」へのチャレンジ。

壁掛 漢羅楽浪
龍村の「羅」は、初代龍村平藏が壁掛 漢羅「楽浪」を発表した1927(昭和2)年に始まります。それは平藏が正倉院織物の復元に着手した時期であり、羅も研究していたとされています。同時期、平藏生涯の支援者であった東京美術学校(東京藝術大学の前身)校長、正木直彦氏が朝鮮へ出向き、発掘品から持ち帰ったのが、後に漢羅「楽浪」のモチーフとなる「金錯狩猟文銅筒(きんさくしゅりょうもんどうとう)」です。羅と銅筒、同じ漢時代の隆盛を今に伝える二つが揃い、平藏の創作意欲を掻き立て、完成したのが漢羅「楽浪」の壁掛です。
その後、龍村は名物裂をはじめとした織物の研究で羅の経験値を蓄え、2013(平成25)年、四代平藏が金糸を使った羅の地とウール糸の綴織技法を融合させた壁掛「鸚哥羅紋錦」を完成。2024(令和6)年には五代平藏がアートパネル「Weaving Waves I・II」を発表しました。先代の成した羅と綴織の融合を踏まえながらも、モール糸の使用や経糸を暈して砂浜を表現するなど、新たな試みに取り組んでいます。龍村の羅は、それぞれの時代を見つめ、変化してきた龍村平藏の歴史にもなっています。

壁掛
鸚哥羅紋錦

アートパネル
Weaving WavesⅠ

アートパネル
Weaving WavesⅡ
「羅」は、全ての経糸がそれぞれの左右にある経糸と絡み合って、大きな隙間ができる透明感が特徴の織物です。そして、目の粗い「カゴ捩り」と細かな「アミ捩り」2つの組織の粗密差で文様が表されています。特殊な機仕掛けを要する羅で、初めて帯の制作に挑んだ今回。それはさまざまな気づきの連続でした。シンプルな作り故のデザインの難しさは、初代の漢羅「楽浪」をはじめとする先代の功績を辿ることで克服し、ストーリーのある意匠を実現。一方、締め心地や涼やかさなど、帯としての理想を探求するため、基盤となる織物設計と、糸の仕様には吟味を重ねました。中でも着姿の決め手となるハリ感には試行錯誤を繰り返し、「濡れ緯(ぬれぬき)」という工夫を施しています。事前に水に浸し、生糸表面のセリシンをふやけさせておいた緯糸を織り込むことで、乾燥後、経糸と緯糸が接着して組織を引き締める効果が生まれ、透け感のアップにも繋がっています。五代平藏が新たに挑戦する羅。その希少性と可能性を秘めた美しさをぜひご覧ください。

製織の途中にも水を含ませる工程が入る

「利休小花」のカゴ捩りとアミ捩り

水に浸けられた緯糸


五代龍村平藏氏と職人の
豊田将士氏
羅八寸なごや帯 楽浪の菱
「龍村の羅」の始まりである初代平藏作漢羅「楽浪」の背景に表された菱文様をオマージュ。菱を粗バツリの表現で織り出した意匠の、シャープで洗練された印象のなごや帯です。経緯とも純国産絹糸を使用、少し温かみのある白は年代を問わず、上布や夏の染着尺など幅広くコーディネートいただけます。黒の緯糸に、銀糸を添えて織り込んだ配色の帯は、都会的で夏の装いを粋に引き立てます。
各968,000円

黒×銀杢

白
羅八寸なごや帯 利休小花
「龍村の羅」の原点といえる初代平藏作漢羅「楽浪」の誕生から100年を迎える2027年へ向け、改めて羅の可能性を探求し、その魅力を発信していきたいと考える五代平藏指揮のもと制作。かつて三代平藏が復元した名物裂の羅に範をもとめ純国産絹糸を用いて製織しました。柄の持つ可愛らしい印象を引き立てるレモン色の配色の帯は、明るく清涼感のあるコーディネートを意識してデザインしています。
各968,000円

レモン

白
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