初代 龍村平藏氏
- 龍村錦帯とは
- 「龍村錦帯」は、昭和2年に「第一回錦帯作品展」を開催して以来、四代に亘る龍村平藏各氏と高島屋が、膨大な資料の中から蘊蓄を傾けて制作してきた高島屋オリジナルの帯であり、美術織物の最高峰を志すブランドです。
明治27年に織物業を創業し、「織りの技法に創意工夫を加えた創造」と「古の織物を徹底的に研究する復元」の二つの世界に没頭した初代龍村平藏の作品は、かの有名な文豪芥川龍之介氏に「おそるべき芸術的完成」と言わしめ、その精神と技は、大正、昭和、平成と時代を超えて、現在に受け継がれています。
- 高島屋と龍村平藏
- 龍村と高島屋は、明治30年頃、創業間もない龍村を高島屋が支援し、初代平藏の叔父が経営していた「丸亀屋」を丸ごと譲り受ける形で高島屋が大阪へ進出するなど、深い関わりと長い歴史があります。この大阪出展は高島屋が飛躍する一つの契機となり、平藏にとっても織物業の拡大を果たす好機となりました。
昭和2年(1927年)高島屋で「第一回錦帯作品展」を開催。戦後は昭和30年に高島屋創業125周年記念催として復活「龍村平藏作錦繍美術展」を開催。
さらに31年の大阪店新館完成時には龍村コーナーを開設するなど、龍村と高島屋はますますその結び付きを強くして行き、「龍村平藏作錦帯」はオリジナル商品「龍村錦帯」として今日に至っています。
龍村を代表する名錦 (ベストセラー)
初代平藏より受け継がれる「創造」と「復元」という2つをテーマに、長年お客様からの支持を受け続けている名錦の数々をご紹介いたします。
- ①
- 武将が陣中で使用した威毛は「矢をも通さず万難を排す」という願いを込めた文様です。その吉祥文に創意を加え織り成した初代平藏の丸帯「威毛錦」は昭和13年ベルリン手工芸展にて金賞を受賞しました。
- 威毛錦(おどしげにしき)1,210,000円
- ②
- 法隆寺に伝来するササン朝ペルシャ様式の文様で連珠円文の中に白虎と朱雀が配されたものです。この二つは何れも四神の一つであり白虎は西方、朱雀は南方の守護神として中国古来から信じられてきました。
- 円文白虎錦(えんもんびゃっこにしき)1,210,000円
- ③
- 平安時代の和歌集の料紙には華やかで金・銀の箔を散らした雲母摺りで文様を出すという華麗なものがあります。その情趣を織り成しました。
- 可祝獅子文 (かしゅくししもん)
1,210,000円
- ④
- 名物いちご裂には造型の面白い文様が多々あります。その中の孔雀にて文様構成し、紬地に織り成しました。
- 甲比丹孔雀(かぴたんくじゃく)858,000円
- ⑤
- 平安時代の衣裳に用いられ、朝廷・公家の文様として窠文様が伝承されています。繡文の風韻を織り成しました。
- 窠中繡花文(かちゅうしゅうかもん)1,078,000円
- ⑥
- 中国南宋の絵画の影響をうけた車軸松の図柄は、我が国の障壁画に多く見られます。その風趣を金銀箔を用い織り成しました。
- 神韻寿松図(しんいんじゅしょうず)1,848,000円
※価格は消費税を含む総額にて表示してあります。