上品會とは
上品會(じょうぼんかい)は、染織五芸(織(おり)・染(そめ)・繍(ししゅう)・絞(しぼり)・絣(かすり))の向上を目指し、
絹の芸術を極める名匠・名家の上作をご覧いただく会です。
1936(昭和11)年、千總(友禅)、矢代仁(織)、龍村(帯)の染織三名家の協力を得て
開催された「染織上品會」がその始まりです。
戦争で一時休会しましたが、1953(同28)年に再開、現在まで回を重ねています。
「飜古為新(ほんこいしん―古きを飜(ひるがえ)して新しきを為す―)」を会風とし、
古典や伝統をふまえながらもしばられることなく、かつ流行にとらわれることなく、
時代にふさわしい呉服を創造・発表する場となっています。
作り手である同人と、売り手である高島屋が、切磋琢磨して日本染織の最高峰を志す上品會。
その名の通り、各同人の卓越した意匠・技術による出品作の中から、
毎年厳正な鑑審査を経た上質な作品のみが入選作品となります。
現在、上品會同人は、秋場(あきば)・岩田(いわた)・川島(かわしま)・大羊居(たいようきょ)・龍村(たつむら)・
千切屋(ちきりや)・千總(ちそう)・矢代仁(やしろに)(五十音順)の八名家となっています。
※上品(じょうぼん)とは最高級のもの、上等なものの意
第72回 上品會
高島屋の上品會は、
戦後の復興第1回(昭和28年)から数え、
本年で第72回目を迎えます。
これもひとえにお客様のご愛顧、
ご支援の賜物と厚く御礼申しあげます。
今回は、高島屋史料館の所蔵品を
題材に制作した特別企画品をはじめ、
同人各社が染織五芸の粋を尽くした力作を取り揃えました。
特別企画品「美しき、めでたきもの」
今回の特別企画品は「美しき、めでたきもの」と題しまして、
高島屋史料館所蔵品より、大正時代、当主・四代飯田新七の還暦祝いに寄せられた画(※)をもとに、
上品會同人が染織品を制作いたしました。およそ百年前に、当時の日本画家の方々が描かれた画をモチーフに、
時を経て、形を変えて今日に紹介させていただく試みでございます。
デジタル技術全盛の今日、日本が誇るべき伝統技術である
手仕事「染織のちから」とともに、ぜひご高覧賜りますようお願い申しあげます。
※「高島屋当主四代飯田新七 還暦祝画帖」
1918(大正7)年頃、(株)高島屋呉服店二代社長・飯田新七の還暦を祝い、
61名の美術家や文化人が寄せた書画をまとめた画帖。
千 總
附下着尺「菊花」
菊の花びらの細かい筆致や、花びらの周りに香りが漂う様子、陰影を友禅で表現。流水を加え、吉祥としての意味合いを持たせたデザインです。
原画:速水御舟「菊花」 高島屋史料館蔵
1,320,000円
千切屋
附下着尺「葡萄小禽」
日本染織作家協会正会員の上村米重氏がもつ多彩な技術を駆使して制作。紅葉は堰出しと糸目友禅で、木の幹は濡れ描き友禅、鳥は糸目友禅と素描きで表現しました。
原画:今尾景年「葡萄小禽」 高島屋史料館蔵
858,000円
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