Story 02
繭生産、製糸、製織、染色加工にいたるまで純国産に
こだわった「誰が袖好み」の振袖。
その工程の一部と振袖に表現されている伝統模様を
ご紹介します。
生地
養蚕農家によって生産された良質な生繭は、山形県の製糸会社「松岡」で、約6時間かけて完全に乾燥させ、製糸工程に。その後、生糸は京都府の丹後地方などの織元により、きもの用の白生地に。
- 1.厳選されて製糸会社に送られる繭。写真は、きもの約1反分の量。
- 2.繭から糸緒(いとくち)を引き出す工程。繭糸は繭内部で密着しているため、高温の湯の中で索緒箒(さくちょぼうき)によって表面を軽くこすって、糸緒を引き出します。
- 3.自動繰糸機。繭から引き出した繭糸を仕上がりの目的に応じて何本かにまとめて生糸にする作業。
- 4.生糸は織物工場にて白生地に。
- 5.厳しい品質管理のもとで完成した純国産の白生地。
友禅
京友禅の工程は、「千總」の制作担当者の手で図案から仕上がりまでの全工程が管理されます。各工程を分業で行うため、それぞれの専門職人の手にゆだねられます。
1.「下絵」「誰が袖好み」は、きものと原寸大の下絵用紙を用いてデザイン(下絵描き)します。実際の着姿をイメージしながら下絵が完成されます。
2.「糸目糊置き」染色する際に、隣り合う色が混ざらないように防染する作業。模様の輪郭に沿って糊置きするため、糊を洗い流したあとに白い糸目が残り、友禅特有の美しい味わいを生み出します。
3.「地染め」ムラなく、きもの全体の地色を染める工程。糊伏せした生地に伸子(しんし)という、竹ひごのような棒を等間隔に張り、作業場に長く張り渡します。色調によっては重ね染めなども施します。
4.「友禅」地染めのあとは、色を定着させるための蒸し、伏せ糊を落とすための水元などを経て、模様部分に色を付ける色挿しの工程に入ります。
伝統模様
きものや帯などに表現されている模様は、平安時代の器物や生活道具などをモチーフとして、華やかにデザインされています。ここでは、「誰が袖好み」の振袖に用いられている模様の一部をご紹介します。
平安時代の遊戯、貝合わせの貝を納める入れ物を意匠化。和合を象徴する模様と伝わります。
香料などを袋に入れて、花と一緒に魔除けや長寿の願いを込めて飾ったとされる模様。
祝儀の進物などに添えられる熨斗を花などと合わせて文様化したもの。縁起のよい模様です。
扇に貼る紙(地紙)の形を模様として、その中に四季の花などを描き、末広がりを表しています。
平安時代の貴族が用いた乗り物に風景や花模様などと取り合わせた、優雅な趣を表す模様。
檜(ひのき)の薄い板の上部を絹糸で綴じた扇の模様。婚礼衣裳などにも描かれています。
高島屋オリジナル振袖
「誰が袖好み」は
純国産繭を使用しています。
高島屋オリジナル振袖「誰が袖好み」は
純国産繭を使用しています。
純国産絹の証明マーク
純国産にこだわって制作した振袖には、金色の「純国産」の文字が目印の証明書が付いています。繭生産から製糸、製織、染色加工までの履歴が表示されています。