人類史のはじめでは過酷な自然環境から身体を保護する役割が大きかった衣服。生きることが困難ではなくなった現代社会においては、ファッションが身体保護を超えたさまざまな役割を担うようになりました。
上質な服やアクセサリーで自分を着飾ったり、節目の時期にはドレスや着物で装ったり、属性や歴史を表す制服や伝統衣装を身に纏ったり。衣服は気候や環境に合わせて着脱するばかりでなく、自己表現や気分転換、アイデンティティ創出の手段にもなったのです。
人の欲求に合わせて取り替えることができる、いわば第二の皮膚と言えるかもしれません。
今回は「人はなぜ着飾るのか?」、「装いを新たに、気持ちも新たに」、「身に纏う」という3つの視点からファッションを縦横無尽に紐解きました。あまりに自然に日々服を着ているので、ひょっとしたら深く考えるきっかけがなかったかもしれませんが、「着る」「装う」「纏う」という行為を通して、少し立ち止まって考えてみてください。
●展示場所:本館1F GRAND PATIO
展示期間:2022年4月1日~7月31日
今回のテーマは「着る、装う、纏う」、つまりファッションをテーマに選書しました。ファッションというのは、パリやミラノ、ロンドンなどで発表されるブランドのコレクションとしてのそれだけでなく、着ることの意味性、着る人の心持ちの変化といったことにまで視野を広げて、多角的に捉えることができます。ファッションによって、他者の目に映る自分がどのように変わるのか。ファッションが自分自身を成り立たせているものにどのように作用するのか。そして、本というものがファッションについて広く思いを巡らせたり、思索を深めたりするきっかけになってくれるはずです。
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