営業時間

営業時間

専門店(S館・新館)10:00~20:00
専門店(S館 2F)フード ストリート 10:00~20:00

※成城石井は22:00 ※こととやは21:00
専門店レストラン 11:00~22:00
※一部、上記営業時間と異なる店舗がございます。
※ラストオーダーは各店にお問い合わせください。

本館・S館 (高島屋)
午前10時30分~午後7時30分

カシまっぷ

ステモの公式SNSで紹介している"柏周辺のジモトスポット"を、まとめてご覧ください♪

ちょっと素敵なジモトスポット
上花輪歴史館

※サムネイルをクリックしていただくと、大きい画像をご覧いただけます。

※サムネイルをタップすると、大きい画像をご覧いただけます。

2022年5月27日(金)UP

ステモのある柏駅から東武野田線で7駅、「野田市」駅から徒歩15分の上花輪歴史館(野田市上花輪507)を訪れました。

上花輪歴史館は、古くからこの地に居住され、江戸時代には天領・上花輪村の名主を務められ、醤油醸造を家業としていた高梨兵左衛門家の屋敷や代々伝わる年中行事・古文書・物品を保存公開している博物館です。2001年には国の文化財(名勝)の指定を受けています。

通りに面した冠木門(かぶきもん)をくぐり、1776年築の門長屋に進みます。
高梨家は武家ではないため、「門」は許されておりませんでしたが、長屋と長屋を繋げて門のようにし、「門長屋」と称したそうです。
この日は端午の節句飾りが住宅内に飾られ(住宅内覧可(要予約)、写真撮影禁止)、門長屋には鯉のぼりの先端に付ける籠玉と口輪が展示されていました。鯉のぼりは保存のため展示されていませんが、その大きさから、如何に大きな鯉のぼりかが想像できますね!

歩を進めると、立派な松の先に数寄屋造棟(1931年築)が現われます。わぁー、なんて美しい!!「北に山・西に森」という風水思想を受け継ぎながら当世風も取り入れた28代主の美意識に圧倒されます。

学芸員の豊田さんにご案内いただきました。
「表玄関前の玉砂利は冬期休館時に砂利をあげ、下に溜まった泥などを掃除します。とくさ塀に使われている竹材なども拭き掃除を欠かしません。スタッフは皆、掃除のプロですよ(笑)」とのこと。お手入れの良さが伝わってきます。

続いて、高梨家の最も格式の高い客間である書院(宝暦年間築か)の前庭へ。主木は縁起の良い黒松と柏。柏は春に落葉すると同時に新芽が出ることから、子孫が途切れることなく代々続くことの象徴だそうですよ。

さらに敷地の西側へ進むと、長さ230m、幅6m、水深1.3mの構堀が。堀には今でも湧き出ている湧水と雨水が湛えられ、江戸川まで通じているそうです(現在は暗渠)。往時は、この船着き場から江戸へ向かったり、お客様をお迎えしたり、高梨家私用にも使われたそうです。

森林浴が出来るほど緑溢れる敷地内には、高梨家の先祖を祀る霊神様を始め、五穀豊穣・商売繁盛を願う稲荷神社、醸造の神様松尾神社などが祀られ、それぞれ決まった日にお祀りが行われています。
戦前の稲荷神社の宵宮祭りには、敷地内の参道を通って上花輪村の人々が集まり、神楽殿でお囃子を奉納するなど盛大な祭礼が執り行われたとか。

1661年に家業として始まった醤油造り。1919年には縁戚関係にあった野田町の茂木家(本家・分家)、流山の堀切家と共に野田醤油(現在のキッコーマン株式会社)を設立し企業となりました。展示棟には往時を偲ばせる様々な道具や看板などが展示されています。

「今も残る豊かな自然の中に身を置くのも良し、近世~近代の調和を見せる建築を楽しむも良し、天領の地で名主を務めた高梨家の歴史と醤油造りに思いを馳せるも良し、色々な味わい方が出来る博物館です。各々に興味のある視点で、この場所にあるからこそ貴重であるもの・ことを楽しんでいただければと思います。」と豊田さん。

時を超えて継承されることの重さと貴重さに、しみじみと感じ入った時間でした。