「グラフィックを描いたレザーアイテムをコラボしたい」長尾ディレクターが小池さんにもちかけたそんなアイデアが今回の企画の始まり。
3人目のクリエイターとしてふたりの頭には自然と村上さんの作品が浮かんでいたそうです。

「2人から今回のコラボレーションの話を聞いて、すぐにご一緒したいと思いました。そして、せっかくならコンセプトをもった意味のあるプロダクトに完成させたかった」
そう話す村上さんがカリグラフィーのモチーフに選んだのは、中原中也の詩『月夜の浜辺』。

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちていた。
それを拾って、役立てようと
僕は思つたわけでもないが
なぜだかそれを、捨てるに忍びず
僕はそれを、袂に入れた。

「この詩のモチーフは“ボタン”なのですが、ボタンって単体では役割を果たせなくて、糸で布に縫われてやっと意味をもつ。人も同じじゃないかなって。ひとりでできることは限られているけれど、仲間と一緒ならいろんな挑戦ができる。
今回の企画も、小池さんと長尾さんとの出会いがこんなに楽しい場所へと連れてきてくれました」

カリグラフィーの下書きは100枚以上。納得した文字にたどり着いたら清書。レザーにプリントする時も一枚一枚フィッティングをして、バランスを確認しながらレイアウト。
つまり今回のベストは、ふたつと同じものがない、アートピースな一着なのです。

ベストに袖を通すと、まず驚くのが軽やかで柔らかな着心地。これぞ〈SISII〉レザーといった感じ。
ブランドの拠点である兵庫県内のタンナーによる特別ななめし技術で生まれる独特のヴィンテージ感。相当な時間と手間をかけ、革の状態や天候などの環境を見極めながら仕上げていくことで、〈SISII〉は常に高いクオリティーを実現しています。

「〈SISII〉創設から20年以上が経ちました。当時からずっと、“捨てられるものは作りたくない”という想いでレザーと向き合っています。着る人の毎日を豊かに彩るような長く愛してもらえるプロダクトを生み出したいと。
まだまだ越えるべきハードルは多くありますが、常にベストを追いかけていくつもりです。

今回のベストは〈SISII〉の人気モデル『ハリントンジャケット』をベースにしています。デザインは、長尾さんのリクエストで“ベスト”に。ジェンダーレスに着られて、レイヤードスタイルに着まわしやすいよう、アームホールや身幅のバランスを細かくアレンジしたSTYLE&EDITオリジナルモデルです」

完成したベストを見た時、長尾ディレクターは「めちゃくちゃかっこよくて、スタイリングのイメージがすぐに沸きました。メンズライクなエッセンスが効いたデザインもすごく気に入っています。ベーシックなスタイリングに合わせても、フェミニンなスタイリングに合わせても、絶対素敵って思います！」

長く大切に着たくなる、クリエイターのこだわりが詰まった今回のレザーベスト。
纏えばどこか、幸せな場所へと連れて行ってくれそうな気がします。

Collage Calligraphy
SISII×Amane Murakami
Leather Vest Limited Edition
121,000円
■オーダー会：
［新宿店］11月16日（水）→22日（火）
［大阪店］11月25日（金）→12月1日（木）
※ペイントのデザインは一点一点異なります。
※デザインのオーダーは承れません。
※タカシマヤファッションスクエアでは12月5日（月）から発売予定（数量限定）

Amane Murakami プリントTシャツ 14,300円
■日本橋・新宿・玉川・横浜・大阪・京都
※11月16日（水）発売予定
※大阪店のみ11月25日より販売予定
※タカシマヤファッションスクエアでは12月5日（月）から発売予定