本展では、1970年の大阪万博で高島屋がみどり会として共同出展したパビリオン「みどり館」に焦点をあてました。「みどり館」のメイキング映像とともに、全天周映画の鑑賞体験ができる「アストロラマ」(アストロ「天体」とドラマ「劇」を合わせた造語)で映し出された映画、「誕生」の一部再現映像を放映しました。(脚本を谷川俊太郎、音楽は黛敏郎が手掛け、舞踏家土方巽が出演した前衛的な映画。)
また、万博コンパニオンのユニフォームや入場券・ピンバッジ等、貴重な資料の展示も行いました。
万博研究の第一人者であり、大阪府・大阪市特別顧問として2025年の大阪・関西万博の誘致活動と誘致案立案に携わった橋爪紳也氏。これまで多くの関連著書や講演を通じて、万博を紹介しながら近代都市のメカニズムを解き明かしてこられました。前半はまず1970年大阪万博の様子について、実体験を交えて伺います。小学4年生の万博原体験です。後半は次の万博の誘致、構想について2020年段階での状況を伺っていきます。
上段右・下段[提供:橋爪紳也コレクション]
大阪万博「みどり館」で600万人が体験したと言われる、全天全周映画上映システム「アストロラマ」。そこに映し出されたのは、脚本・谷川俊太郎、音楽・黛敏郎、舞踏・土方巽による前衛的な映画『誕生』でした。どのような空間、映像だったのか。なぜ土方が出演したのか。謎多き幻のプロジェクトを、アストロラマの開発者、そして土方巽の研究者が解き明かします。
左・下段[提供:NPO 法人舞踏創造資源]/上段中[提供:奥野達郎]
一般に建設事業は一大イベント。記録のために竣工アルバムがつくられますが、建設中の様子を記録した、建設記録映画もよく撮られてきました。70年大阪万博も同様に建設記録映画が残されており、そのいくつかを紹介します。映画の製作者は大林組。大林組は最初の大仕事が明治の博覧会で、以後博覧会建設にたびたび携わっています。今回はその大林組が手がけたアメリカ館、お祭り広場、みどり館などの映像を上映しながら、建設記録映像の保存活動を続けている橋爪紳也氏に、撮影当時の背景を交えながらお話を伺います。
上段右・下段[提供:橋爪紳也コレクション]