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2025.10.08up

廃棄される運命に新たな価値を。
「コスメ再生プロジェクト」

これまでデパート デ ループでは、「コスメ再生プロジェクト」と題し、リサイクルパートナーと協業して、役目を終えたメイク用品と化粧品の空容器を回収、クレヨンやキャンドルにアップサイクルし、高島屋各店で販売してきました。

そして10月1日(水)より、お客様やお取引先様から回収した化粧品を資源に、新たなプロダクトが仲間入りしました。アイシャドウ等のメイク用品を着色料に使ったペーパーアイテムを、ショッピングバッグやメッセージカードとして配布。プラスチック素材の空容器を使った「アップサイクルコーム」は数量限定で販売しています。

※ショッピングバッグ、メッセージカード、アップサイクルコームは、数に限りがございます。なくなり次第終了とさせていただきます。

役目を終えたコスメから広がる、循環の輪

「売場などの垣根を越え、取り組みを一層広げていきたい」と話すのはバイヤー 橋祐介。今回のショッピングバッグやメッセージカードを、化粧品売場のみにとどまらず、約10もの売場で配布することに決めたのは、そんな熱意が根底にありました。
ピンクのアップサイクルペーパーは、規格外野菜などを原料にしたプロダクトを提供しているmizuiro株式会社との協業により実現しました。「ばらのショッピングバッグがピンクになっているという良い意味での違和感と、実は回収コスメから作っているというSDGsの観点での驚きを感じてもらえたら」と話すのは、mizuiro株式会社の山田達郎氏。赤・ピンク系のアイシャドウやチークからパウダー部分のみを選別して取り出し、再生紙の原料に混ぜて着色。「よく見るとキラキラとしたラメが混ざっていて、ピンク色で気分が上がる。楽しむことから“循環”への気づきにつながれば」とバイヤー 岡田ひかりは話します。

左から高島屋バイヤー 岡田ひかり、
mizuiro株式会社 山田達郎氏、高島屋バイヤー 橋祐介。

紙の原料に、回収したメイク用品を着色料として流し込む様子。

再生プラスチック100%のものづくりに挑戦

そして、新たに廃棄プラスチックの循環にチャレンジしたのがアップサイクルコーム。再生プラスチックのリプロダクトに取り組むパラレルプラスティックスとの出会いがきっかけとなりました。「コスメのボトルは色がキレイ。一度トライしてみたかったんです」と話すのはパラレルプラスティックスの宮口拓也氏。母体はスマホケースを扱うHamee株式会社。スマホの頻繁なモデルチェンジで、型落ちケースが大量に発生する悩みがありました。「廃棄工場に足を運び、未使用のプラスチックが大量に処分されていく様を目の当たりに。そこに化粧品のボトルも山積みになっていました」。そんな体験が、再生事業を立ち上げるきっかけとなり、今日の取り組みにつながっているのだとか。今回、ブランドを問わず回収した空容器は、高島屋のバイヤーたち自ら色や種類に応じて選別し、洗浄。プラスチックの種類によって溶解温度が異なる現象を利用し、粉砕した容器と白い再生プラスチックを組み合わせてマーブル模様に仕上げています。

中央 パラレルプラスティックスの宮口拓也氏。

リサイクルは、
人との出会いをつなげてくれる

デパート デ ループの立ち上げから携わってきた橋は「過去に協業した方からご縁がつながり、進めているプロダクトもある。リサイクルは人との出会いをつなげてくれる」と振り返ります。化粧品業界では使用後の再利用を見据えたものづくりは、まだまだ少ないのが現状。「楽しみながら身近な人と会話をしたり考えたり、“循環”の輪を広げる一歩になれば」と語ります。

プラスチックの空容器を洗浄している様子。

担当バイヤーの思いや開発の裏側をコラムでご紹介

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