理英会監修 こちら、お悩み相談室。

vol.11

子どものやる気がでない様子…
どうしたらいいでしょうか?

2025.5.20 UP

「来たるその⽇」に向けて、みなさまと⼀緒に取り組むべく、「お受験」に関する悩みや疑問を理英会の先⽣に伺ってきました。このコラムが、何かのお役に⽴てれば幸いです。

A.
親の方でいろいろ試してみましょう。
5つのポイントでご説明します。

1.〈やる気がでない原因は何でしょう?〉

まず、やる気がでない原因を探ってみましょう。
体調が悪いのか、保育園で何かイヤなことがあったのか、などの場合もあると思いますが、お受験に絞って言いますと「保護者の期待が大きすぎる」「勉強に行き詰まる」などが考えられます。
実際に多いのは前者の方で、やる気がでない原因が保護者自身にあるとすれば、親が一度立ち止まってみるということが大切です。
こういう場合、親の気持ちがお子様より先を走っていることがあります。自分ではなくお子様にやらせる、という考え方でお受験に取り組んでいることがあります。
そういう時には、お父様お母様がお子様と一緒に歩く、というスタンスにもう一度戻っていただければと思います。

2.〈親が作戦を変えてみませんか〉

たとえばこういう保護者がいらっしゃいました。
塾のプリントをすべて親が手描きで描き直し、お子様の好きなキャラクターや動物が登場するプリントにしました。するとお子様は「わたしの好きなキャラクターや動物だ!」と喜んで、やらなくなっていたプリントをやりはじめたそうです。
お子様に変化や改善を求めるのではなくて、親の方が作戦を変えて、お子様がやる気をだす状態、勉強をしたくなるような状態を作り出したということで、とてもいいアイデアだと思います。

3.〈いろいろと試してみましょう〉

お子様がやる気を出すための、いい作戦やアイデアが思いつかない場合もあるでしょう。
その際は一旦プリントから離れて、親子で動物園や水族館に行く、お父様とお子様で公園で運動をする、廃材を集めて家族で何かを作る、など、いろいろなことに取り組んでみるのが良いと思います。
動植物とふれあうこと、ハサミやノリを使うこと、廃材を使っての創作活動なども学びになります。
また、やる気が出ない時間帯があるのでは、ということも考えられます。
保育園から帰ってきた後はお子様が疲れている様子であれば、朝型のリズムへ徐々にスイッチしてもいいでしょう。
通常はお子様のプリントをお母様が見ているなら、ご夫婦の役割を変えてお父様がプリントを見るのも良いと思います。
体験を一緒にしてみる、時間を変えてみる、役割を変えてみる、などいろいろと試してみてください。

4.〈できる問題まで戻る、という方法〉

プリントをお子様が解けない時、時間をかければ解けるというものではありません。というのも、お子様の脳は大人のように発達していませんし個人差もありますので、時間をかけても理解に至らないこともあります。
できない問題があるなら、できない問題を解こうとするのではなく、できる問題まで戻るのが良いでしょう。
基礎に戻ることはおすすめです。基礎問題を繰り返し解いて、積み重ねて、その後できなかった問題へ戻ってみる。すると、出来ることが積み重なって自信になり、やる気を取り戻すことがあります。
親の先に進みたい気持ちを抑えてお子様の足元を固めたら、気持ちがノッてきて勢いがつき、山を越えることもできるということです。

5.〈学びを一緒に楽しめる家庭へ〉

いろいろ試してみたけれど上手くいかないという場合は、最後は塾に頼っても良いと思います。
塾は専門の先生たちがいますから、お子様のやる気を出させることも可能でしょう。親の心の安定はとても大事ですから、家事・育児の負担が大きい場合はカリカリすることなく、親が少しラクできるよう他人に頼ることをおすすめします。
「お母様、お父様と勉強したいなぁ」とお子様が自然に感じるのが理想です。そういう”学びを一緒に楽しめる”を目標にしながら、お受験に取り組んで欲しいと思っています。

【お話を伺った先生】
理英会 原 恵美先生
考える力が楽しく身につく体験型授業を取り入れている幼稚園・小学校受験塾「理英会」の第一線で活躍するベテラン講師。約25年間の指導歴の中で、1千人以上のご家庭の夢を叶えてきた実績のある教育アドバイザー。

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