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このたび日本橋髙島屋美術画廊Xでは國川 裕美氏の3回目となる個展「PACE//佇むかたち」を開催いたします。
 2019、2021年とイタリア・カッラーラを拠点に留学後、イタリアと日本を往還し制作する國川 裕美氏は、石という最も原初的な素材の触感と生命へのまなざしを重ね合わせる彫刻家です。
國川氏は「イタリア・ヴァルリオーナで出会った人々は皆、信じられないくらい優しくあたたかく平和そのものでした。」と言います。ただ、同時に感じた深い孤独と焦燥は作品のモチーフへの変化をもたらしました。それは、これまで自分の作品がコミュニケーションツールとして、観者や社会との拘わりを求めていた希少動物などの彫刻作品から、より身近な動物と人物の融合した作品へと変化します。
 石の内部に潜む“気配”をすくい取ったような佇まいをもち、観る者にそっと寄り添うような静謐さと、素材が本来宿す量感が共存している國川氏の彫刻は、視覚だけでなく、触覚の記憶までをも呼び覚ます、静かで深い存在感を放っています。
新・近作約20点の展観となります。どうぞご高覧ください。