2026.04.14up

端材から生まれた、奇跡の色彩「透翠」
伝統を継ぐ「江戸硝子」

淡く透き通りながらも深みのある輝き。「透翠」は、製造工程で出る端材から中金硝子総合が生みだした奇跡の色彩。江戸川区の住宅街の一角にある工房で、一つひとつ職人が吹き、丁寧に削り、伝統的工芸品の江戸硝子を、今に伝えています。

「変えていくことも、継承の意義」

江戸硝子の手法「色被」は、異なる硝子を重ねるために再利用が難しく、廃棄されるのが業界の常識でした。しかし、三代目の岩渕道子さんは「貴重な原料を含んだ硝子を捨てるのは忍びない」と、小規模な工房ならではの工夫で再利用に取り組みました。失われるはずだった欠片たちは、確かな意志によって、美しい器へと昇華。
その根底にあるのは、創業者の祖父が確立した独自の「ポカン工法」。外側にわずか0.2ミリという極薄の色硝子を被せるという難儀な技法ですが、この極限の薄さだからこそ、繊細な日本特有の文様が際立ちます。このような先人の努力から生まれた、江戸硝子の粋や技法を次世代へつないでいきたいと、岩渕さんは言葉に力を込めます。
ただ、伝統を墨守するのではなく、現代になじむスタイルを提案する柔軟さも併せ持つ。「変えていくことも、継承の意義」と挑戦を重ねてきました。これからも江戸硝子が暮らしに寄り添い、心を和ませる存在になれたら、そんな想いが工房を未来へと導いています。

製作風景

ガラスを製作する際に必ず出る端材を使い、絶妙な色調を表現

江戸硝子の可能性を信じて

変化し続ける東京の住宅街の一角で、地域に溶け込み、人や時代に耳を澄ませ、ものづくりを紡ぐ中金硝子総合。今なおこの場所で伝統を守り挑戦を続ける、しなやかな在り方。中金硝子総合の試みは、まだ完成形ではなく、すべての端材を再生すべく新たな目標を掲げています。江戸硝子の可能性を信じ、未来へ向けて、今日もまた新しい彩りを探し続けています。

中金硝子総合(なかきんがらすそうごう)

1946年、東京都江戸川区にて創業。独自の「ポカン加工」による色被せ硝子の製法を確立し、江戸硝子の技術向上に貢献。今も生地の美しさを活かしたオリジナル商品を作り続けている。
※「江戸硝子」は江戸時代から受け継がれる材料や技術が評価され、2002年東京都伝統工芸品、2014年国の伝統的工芸品に指定。熟練の職人が生み出す作品は、工芸品としての品格と実用性が共存している。

〈江戸硝子〉の商品は、下記の高島屋各店でお買い求めいただけます。
■日本橋、新宿、玉川、横浜、柏、大阪、京都「WAGOTO」、高島屋オンラインストア

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