廃材に新しい価値と美しさを。 テキスタイルデザイナー Luisa Cevese氏
豊かな色彩、繊細なきらめき、あたたかな質感。
その美しさに思わず引き込まれてしまうテキスタイルの数々。
実はこれらはすべて、糸くずやはぎれ、やぶれた布など、捨てられるはずだった廃材から作られているというから驚きます。
手掛けているのは、イタリア・ミラノをベースに活躍するテキスタイルデザイナーLUISA CEVESE(ルイーザ・チェベーゼ)さん。
今回、高島屋サロンルシック日本橋店でご紹介するLUISA CEVESEのコレクションに合わせ、創作活動のきっかけや作品にこめた想いについてお話を伺いました。
2023/04/05
Photo: Working with waste_silk threads © Marta Castaldo
Photo: Luisa Cevese © Marta Castaldo
Creator Interview 02
「再編集=Riedizioni」から
始まるものづくり
ミラノで生まれ、長年テキスタイルのデザイナーや研究者として第一線で活躍してきたルイーザさん。彼女が廃材を利用したオリジナルのテキスタイルを作り始めたのは、まだサステナビリティという言葉が世の中に浸透していなかった30年以上前のことでした。
世界の名だたるラグジュアリーメゾンのテキスタイルデザインに携わる中で、彼女は、ファッション製品の生産過程で大量の廃材が生み出されていることを目の当たりにしたといいます。
ものづくりが大好きで、自己表現とコミュニケーションの手段としてテキスタイルと向き合ってきたというルイーザさん。「廃材を再編集することで、新しいものを創りたい」と、廃材を使った独自のデザインプロジェクト「Luisa Cevese Riedizioni(ルイーザ チェベーゼ リエディツィオーニ」をスタートさせました。Riedizioni(リエディツィオーニ)とは、イタリア語で「再編集」の意味をもっています。
Photo: Luisa Cevese at Riedizioni boutique + gallery
© Alexandra Amico
Photo: Luisa Cevese at Riedizioni boutique + gallery © Alexandra Amico
Photo: Working with waste_selvedges from Hosoo
© Marta Castaldo
新しい命を吹き込み、
新しい価値を生む
ルイーザさんは、廃材をはじめ植物や昔の着物、カセットテープの中身など、本来破棄されるはずのあらゆるものにクリエイションの力で新しい命を吹き込み、美しいデザインに生まれ変わらせます。
研究を重ねるなかで、廃材とポリウレタン素材を融合させ、新たなテキスタイルへと生まれ変わらせることにも成功しました。
彼女の視点で新しい魅力を見出されたさまざまな廃材が、ユニークな一点もののテキスタイルへと生まれ変わる。
好奇心とクリエイションの力で廃材に新しい価値を生み出すことが、ルイーザさん流のサステナビリティなのではないでしょうか。
Riedizioni boutique + gallery © Alberto Strada
Luisa Ceveseから、
日本のお客さまへ
「初めて訪れた時から日本に魅了され、そこでは大切な親友もでき、第二の故郷のような環境になりました。
いつも私たちの価値観と作品に共感いただき感謝しています。
私たちの作品をぜひ手に取って、お楽しみいただければ幸いです。」
今回、サロンルシック日本橋店で、ミラノのショップ兼アトリエでルイーザさんと一緒に選んだバッグやポーチ、テーブルウェアなどを期間限定でご紹介いたします。「Luisa Cevese Riedizioni」の美しくユニーク世界観を、ぜひこの機会にお楽しみください。
語り手:Luisa Cevese
聞き手:山本紗矢佳(Salon le Chic)
Luisa Cevese Riedizioni
POP UP EVENT
■4月5日(水)〜18日(火)
■高島屋日本橋店 2階 サロン ル シック
Textile Designer
ルイーザ・チェベーゼ
Luisa Cevese
●プロフィール
イタリア・ミラノ生まれ。
1978〜1983年、テキスタイルとアートに興味を持ちロンドン、アメリカ、メキシコにて独学で学ぶ。1984年以降、エルメス、シャネル、コムデギャルソンなどのメゾンのためにテキスタイルをデザイン。1988年〜1993年までイタリア、コモのCentro Ricerche Manteroで研究部長を務めた。1996年「Luisa Cevese Riedizioni」を立ち上げる。