The theme of "BOOK SELECTION"
秋の夜長に愉しむもの。
数多あるなかで、今回は音と芸術の結節点を探してみようと考えました。
リベラルアーツの四科として、古代ギリシアから人間の根源を揺さぶる表現を生み出してきた音楽と、
パブリックにひらいた作品が日々生み出され、その定義を新たに更新し続けているアートの世界。
そんな2者が、重なり、影響を与え、解け合う瞬間を一緒に探してみませんか?
いつも口ずさむ曲や、何気なく見る映像も、本を傍らに考えてみれば、
心の琴線に触れ、自分の中のうつくしさを見直すきっかけとなるはずです。
「音楽が好き」と一口に言っても、その楽しみ方は人それぞれ。
ジャズ喫茶でレコードの音色に耳をすませたり、 YouTubeでアイドルのMVを楽しんだり、
好きなバンドのロックTシャツを集めてみたり。
楽しみ方と同じように、表現方法も千差万別です。
クラシック、ジャズ、ポップスといったジャンルだけでなく、
生演奏、レコード、アプリでの配信など、時代によって伝え方も変化してきました。
音楽を様々な形で表現してきた人たちの本から、新たな楽しみ方を見つけてみませんか。
これまで、音楽とアートは互いに密接な関係を持ちながら発展してきました。
レコードのジャケットアート、ファッションショーでのウォーキングミュージックなど、
耳で聞く音楽と目で見るアートが交錯することで、表現は新たな広がりを見せます。
聴覚と視覚を横断することで可能となる豊かな感性の広がりは、
わたしたちに「見ること」と「聴くこと」の本質的な意味を問いかけます。
二つの世界の重なりを楽しみながら、表現と感性の本質を探ってみてはいかがでしょうか。
映画の始まりは、わずか46秒の無声ドキュメンタリー映像でした。
そこから映像技術の進歩によって徐々に上映時間が長くなり、またストーリーが複雑になり、
音楽やカラーが付けられ、ロケで様々な場所を写すことが可能になるなど、今日に到るまで様々に発展してきました。
あっという間に進化を遂げた映画は、新しい芸術としてアートの世界にも大きな影響を与えています。
映画の可能性を引き出し、新たな芸術へと昇華させた監督たちの名作を振り返りながら、
映画の芸術性について考えてみませんか。