民藝沼にハマるバイヤーが語る、『民藝の歴史と高島屋』

「民藝」という言葉が生まれてから100年。高島屋は民藝運動初期から、長年にわたり民藝の魅力をご紹介してきましたが、100年民藝と関わってきた高島屋が、これからの100年も新たなかたちで取り組む本年は、民藝をこよなく愛する担当バイヤーが、民藝の色々を連載でご紹介していきます。
初回は、『民藝と高島屋』についてこれまでの歴史を振り返りながらお伝えしていくとともに、2026年3月20日(金・)に日本橋店7階リビングフロアにオープンした新売場「民藝のわ」をご紹介します。

◆Tバイヤー: 
民藝の担当歴約13年。入社以来20年以上、リビング系ひとすじ。「民藝を語らせたら話が長い!」特に好きな素材は「漆」。漆器や陶器に囲まれた暮らしを好み、国内産地に足を運ぶのがライフワーク。

◆Kバイヤー:
民藝新任バイヤー。入社後、大阪店のリビングカテゴリーの売場に配属。なかでも、家具売場の担当が最も長く(8年間)、民藝については「日々、勉強中!」。特に好きな素材は「木」と「陶」。むかしから民藝に興味があり、民藝展のたびに商品を購入。現在も出張のたびに各地の民藝商品を衝動買いしてしまう。


「暮らしを美しく、豊かにする」民藝・民藝運動とは?


民藝とは『民衆的工芸』の略語で、民藝の父といわれる宗教哲学者 柳宗悦と陶芸家 河井寛次郎、濱田庄司が、1925年に生み出した新語です。

柳宗悦の写真
柳宗悦 1954年、画像提供:日本民藝館

急速に工業化が進み、大量生産社会へ突き進むこの当時に、柳らは、名もなき職人たちが日々の生活のために作った、実用的で素朴な手仕事の美しさを評価しました。この新たな「美の見方」や、「美の価値観」を提唱した生活文化運動が『民藝運動』です。

民藝運動には、作り手の富本憲吉(陶芸)、棟方志功(版画)、芹沢銈介(型染)らも参画しました。また、鳥取の吉田璋也、岡山の外村吉之介などプロデューサー・プロモーターの役割を果たす各地のさまざまな人が民藝の理念に共鳴し、民藝運動は日本全国に広がっていきました。

その目的は、特別な人だけが美を享受するのではなく、『すべての人の暮らしを美しく、豊かにすること』といわれています。日々使うものが心を整え、生活そのものが美になる社会を柳らは目ざしていたのです。


高島屋と民藝の歴史


1921年、当時高島屋の宣伝部長であった川勝堅一が、後に民藝運動の主たる活動家となる河井寛次郎と交流関係があり、河井の初個展『創作陶磁展』を高島屋心斎橋店・南伝馬町店にて開催。その河井との繋がりから、柳宗悦や濱田庄司と出会い、高島屋は民藝運動と深く関わっていきます。

1934年には、初の日本民藝協会主催「現在日本民藝展覧會」が日本橋高島屋、翌年には大阪高島屋で大々的に開催され、その後も河井寛次郎、バーナード・リーチ、富本憲吉、濱田庄司などの民藝運動家たちの作陶展や地域にフォーカスした民藝品展、工藝品展などを開催しています。

近代日本民藝展覧会のチラシ
左 現代日本民藝展覧會の開催を記念して特集が組まれた雑誌『工藝』47号表紙、1934年
右 現代日本民藝展覧會チラシ、1934年
いずれも、高島屋史料館蔵

催事のみならず、柳宗悦らが立ち上げた民藝の老舗店「たくみ」を誘致し、高島屋の各店舗で、民藝の品々をお客様に半世紀以上に渡りご紹介してまいりました。

現在では、『民藝展』を大々的に開催し、多くのお客様に民藝の理念や各地のものづくりを伝え続けています。

過去に開催された民藝展の売場風景

そしてこのたび、柳宗悦らが提唱した民藝の理念が次の100年も色褪ないように、民藝の品々が持つ魅力を高島屋から日々発信する新しい売場 「民藝のわ」 が日本橋店7階リビングフロアにオープン。


日本橋高島屋の新売場「民藝のわ」で、今の暮らしに寄り添う民藝との出会いを


「民藝のわ」の売場名には、3つの「わ」を大切にする想いをこめています。

「輪」(人・物・技のつながり)
「環」(巡り続ける健やかな美・土地、風土、文化のつながり)
「和」(まじりあってうまれる価値(調和・共存)

職人・作家の想いと技が詰まったひとつひとつの品物と使い手との出会いの場となり、また、暮らしの道具が長く愛用されるきっかけの場となるよう、スタッフ一同心を込めて取り組んでいきますので、ぜひご期待ください!


「民藝のわ」(日本橋店7階リビングフロア内)

民藝のわのロゴ

民藝のわ売場

民藝のわ売場

お取り扱い商品:陶器、漆器、ガラス、編組品、わら細工、鋳物、鍛鉄、箒、染織、郷土玩具、など。詳しくは売場へお問い合わせください。

※時季により店頭のお取り扱い商品の内容は異なります。
※品数に限りがあり、次のご紹介までに時間が空くものが多くございます。

最新の入荷状況や店頭の様子は、「民藝のわ」公式インスタグラムで発信中!
ぜひチェックしてみてください!

■■「民藝のわ」公式インスタグラム■■


次回は、「原材料も手がける作り手の想い(仮題)」についてご紹介する予定です。