【ツナグアクション】輪島塗を未来にTSUNAGU 新たなものづくりへの挑戦

TSUNAGU ACTION(ツナグアクション)について


「21世紀の豊かさ」を考えながら、高島屋がステークホルダーとともに取り組むサステナブル活動「TSUNAGU ACTION(ツナグアクション)」。
「PLANET」「SOCIAL」「PEOPLE」の3つのテーマに基づき、イベントの開催や、商品開発などを通して、一人ひとりができる具体的なアクションを提案しています。
実際のイベントの様子やプロジェクトのご紹介、商品が出来あがるまでの開発過程などを担当者目線でご紹介いたします。

今回のテーマは「SOCIAL」。10月29日(水)から大阪店、2026年1月には日本橋店で開催されるイベント「輪島塗を未来にTSUNAGU〜うるしと暮らし〜」から、輪島塗の復興に向けた新しいものづくりの取り組みをリポートします。

日本を代表する漆器産地のひとつ、石川県・輪島。2024年1月に発生した、令和6年能登半島地震、同年9月の奥能登豪雨により立て続けに大きな被害を受けました。災害から1年以上が経過する中、輪島塗の復興に向けて尽力する[田谷漆器店][輪島キリモト]はどのような漆器の制作に取り組んだのでしょうか。

[田谷漆器店]輪島の原風景を映す、未来への器


輪島塗の老舗[田谷漆器店]。冠婚葬祭に使われる家具膳や、寺社・料亭に収める什器に始まり、個人向けの販売まで時代と共に輪島塗のさまざまな商品開発に積極的に取り組んできました。震災後もより一層「暮らしの塗師屋」として、輪島塗を通じて使うことの魅力を伝えるとともに、作り手の次世代育成に多方面から取り組んでいます。

今回、輪島塗が育まれてきた能登の自然の風景をあらわす漆のうつわの制作にデザイナー・職人と共にチャレンジしました。

輪島市白米町「白米千枚田」

題材の一つとなったのが、輪島市白米町にある「白米千枚田」。日本海に面して約1,000枚もの小さな水田が連なり、海岸まで続く奥能登を代表する観光スポットの一つで、震災前には人気のイルミネーションイベント「あぜのきらめき」において約25,000個ものイルミネーションが白米千枚田を彩ってきました。

 イルミネーションイベント「あぜのきらめき」 

今回のものづくりでは、この「あぜのきらめき」を元にデザイナーが起こしたデザインを、職人と試行錯誤しながらお椀に表しました。最終的にイルミネーションの光を螺鈿の粉を用いて表現し、角度によって煌めきが変わる美しさが感じられるように仕上げました。水面に映る沢山の美しい光をイメージし、商品名は「千の煌めき」と名付けました。

日常の食卓や祝いの席にも相応しい、伝統の技と現代の感性が融合した、輪島塗を未来につなげていく漆のうつわが出来上がりました。

[田谷漆器店]「千の煌めき」

[田谷漆器店]千の煌めき(約径14.5×高さ11cm)105,600円
取り扱い店舗:日本橋店「特選工芸サロン」、大阪店「和食器」
※受注生産/承りから約2~3か月後のお渡し
※日本橋店での取り扱いは10月28日(火)まで。
※大阪店は、10月29日(水)から11月4日(火)まで7階POP UP STATION[7F1]にて取り扱い。11月5日(水)以降については売場係員におたずねください。

[輪島キリモト]輪島塗Rescue&Rebornプロジェクト①~被災した御膳揃いを、朱合い漆でモダンなうつわに~


能登地方の古い家なら、祝い膳などに使われる輪島塗の『御膳揃い』を持っているといいます。しかし、能登半島地震の被害によって、災害ごみとして捨てられそうな御膳揃いが続々と集まっていました。

輪島塗の「御膳揃い」

「のとサポ(能登地震復興サポート)」から知らせを受けた[輪島キリモト]代表の桐本泰一氏は、単に『直す(Repair)』ではなく、今の暮らしに使いやすい透き溜に『生まれ変わらせる(Reborn)』、「輪島塗Rescue & Rebornプロジェクト」に取り組んでいます。

トラディショナルな御膳揃いですが、器を単品使いすると、日本の家屋空間や食卓との比率、適正な盛り付けの量など、全てにバランスがよく、モダンで使い勝手の良いサイズが現れたとのこと。しかし、往年の朱の色は「今の暮らしには馴染みにくい。」と桐本氏はいいます。

Rebornされた「輪島塗の皿」

そこで、表面の朱色を丁寧に磨いて、日本産の漆を中心とした透明の「朱合漆(しゅあいうるし)」を塗り重ねました。すると透け感が増し、先人たちの仕事の痕跡を感じる漆の色が個性となり現れる、モダンな器に生まれ変わりました。

輪島塗はしっかりとした木地や丁寧な下地によって、長く使っても直せることが特徴です。今回のように、新たに生まれ変わらせられることは、輪島塗技法のさらなる可能性を感じさせます。

[輪島キリモト]平椀、壷椀と端反壷椀

[輪島キリモト]
上:平椀 28,600円
中:壷椀 22,000円
下:端反壷椀 22,000円
取り扱い店舗:大阪店
※10月29日(水)から11月4日(火)まで、7階 POP UP STATION[7F1]にて取り扱い。

輪島塗Rescue&Rebornプロジェクト②~制作途中のうつわに変わり塗で息を吹き込む~


また、桐本氏は30年近く前に廃業した漆器店の倉庫に保管されていた、下塗りまで仕上げた椀、皿、重箱などを軽トラ3台分お譲りいただいたそうです。

[輪島キリモト]の塗師・小路貴穂氏

こちらは、変わり塗りを得意とする、[輪島キリモト]の塗師・小路貴穂氏によって新たな器に生まれ変わりました。

※上塗りをして仕上げるだけではなく、さまざまな素材と技法を応用し、独特な質感や色、模様を生み出すこと。

和紙を糊漆にて貼り付ける作業

薄布や和紙を使う変わり塗りを施すことで、輪島塗の伝統的な形にモダンな感性をプラスした、新たな美しい器に生まれ変わりました。

[輪島キリモト]銀彩布みせ銘々皿

[輪島キリモト]
左奥:銀彩布みせ銘々皿 18,700円
右前:銀彩和紙張り銘々皿 18,700円
右奥:銀彩蒔地銘々皿 18,700円
取り扱い店舗:大阪店
※10月29日(水)から11月4日(火)まで、7階 POP UP STATION[7F1]にて取り扱い。

【大阪店・日本橋店でイベントを開催】輪島塗を未来にTSUNAGU~うるしと暮らし~


2025年1月、輪島塗を支える職人の仕事を絶やさないことをコンセプトに、輪島塗を支える職人の技術や、震災を契機に生まれた商品にフォーカスを当てたイベント「輪島塗を未来にTSUNAGU」を日本橋店で開催。お客様からの反響も大きく、賑わいを見せました。しかし、輪島塗の産地では、職人減少などの問題がより一層深刻化しています。

職人の仕事を絶やさず、輪島塗を未来に繋げていくために、「輪島塗の魅力発信」「次世代の担い手を育成」をテーマに、2025年10月に大阪店、2026年1月に日本橋店で「輪島塗を未来にTSUNAGU〜うるしと暮らし〜」を開催します。大阪店では、今回紹介した[田谷漆器店]や[輪島キリモト]の商品の販売に加え、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」や現在放映中「ばけばけ」で料理指導を務めている、“ごちそうプロデューサー”広里貴子氏と“輪島キリモト”の桐本泰一氏によるトークイベントも開催予定です。ぜひ、新しい輪島塗との出会いをお楽しみください。

「輪島塗を未来にTSUNAGU~うるしと暮らし~」
大阪店イベント情報
■2025年10月29日(水)~11月4日(火)
■大阪店7階 POP UP STATION[7F1]

“ごちそうプロデューサー”広里貴子氏と“輪島キリモト“桐本泰一氏によるトークイベント
■2025年11月1日(土) 午後2時
■大阪店7階 POP UP STATION[7F1]内

【予告】
日本橋店イベント情報

■2026年1月7日(水)~13日(火)
■日本橋店本館1階 正面イベントスペース

次回は「PLANET」をテーマに、循環型社会の実現を目指したプロジェクト「Depart de Loop(デパート デ ループ)」から、2025タカシマヤ カシミヤ コレクションで発売する、文化服装学院の学生とコラボレートした再生カシミヤアイテムについてご紹介します!

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※価格・内容は2025年10月24日(金)現在のものです。
※品数に限りがございますので、売切れの節はご容赦ください。
※都合により、販売開始が遅れたり、販売・イベントの中止、会期・会場や商品仕様、価格などが変更になる場合がございます。また、お取り寄せとなる商品もございます。あらかじめご了承ください。
※サイズ・色が実際の商品と異なる場合がございます。
※商品の写真は調理・盛り付けの一例です。
※価格は消費税を含む総額にて表示しております。

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