重要文化財ツアー Vol.2百貨店建築、おもてなしの心
百貨店建築として初の重要文化財である、日本橋高島屋S.C.本館。毎月1回「日本橋高島屋 重要文化財見学ツアー」を開催しています。ツアーの中身から、今回は高島屋の「おもてなし」の心を伝えるスポットなどをご紹介いたしましょう。ご案内するのは日本橋高島屋S.C.本館のコンシェルジュ、岸和彦です。日本橋高島屋S.C.本館のコンシェルジュとして、店頭でのご案内をはじめ、お客様一人ひとりのご要望やお悩みにお応えした「おもてなし」を提供しております。
日本橋高島屋S.C.本館の正面玄関に掲げられた、社旗をご覧ください。こちらに染め抜かれた高島屋の「高」の字は「はしご高」を使用しており、「はしご高」には、はしごをひとつひとつ登り、業界のトップを目指して欲しい、という創業者の思いが込められています。社旗をウラからご覧いただくと、「高」という字は、オモテから見てもウラから見ても同じ形をしており、オモテもウラもなし、「おもてなし」という意味も込められており、創業当時から大切にしている高島屋の精神でもあります。
日本橋高島屋S.C.本館の顔になっておりまして、私もとても思い入れがあるのが正面エレベーターです。アメリカ・オーチス社製で、現在でも手動で案内係が操作をしています。このようなエレベーターは、日本全国を探してもほとんど見かけることはない貴重なものです。耐震補強工事などは行われていますが、昭和8年(1933)創建時のカゴを改修しながら現在も使用しています。
エレベーターの前に使われている壁の大理石は、木目調のものを使っています。これはお客様にホッとした気持ちでお買物を楽しんでほしいという思いで選ばれたもの。このエレベーターに乗ることを楽しみにご来店されるお客様もいらっしゃるほどです。ご来店の際には、ぜひご搭乗いただきたいですね。
正面玄関脇には、花をモチーフにした装飾が施された、アーチ型の水飲み場の跡があります。現在はふさがれていますが、当時は蛇口がついており、昭和50年(1975)頃までは水が出ていたようです。お客様に教えていただいた話なのですが、かつて近くにあった小学校から、休み時間になるとわざわざ小学生がこの水飲み場まで水を飲みに来て「高島屋の水は冷たくておいしい」と言っておられたそうです。
正面玄関の鉄扉には、ロゼッタやアカンサス(和名:葉あざみ)などの西洋の紋様に加え、
東洋の意匠である雷紋が施され、和洋折衷が表現されています。昭和20年(1945)、東京大空襲の時は、建物の東側に焼夷弾が落ちて木造部分が炎上する被害がありました。この場所にも戦火が迫りましたが、鉄扉を閉めることで、建物は守られたのです。
高島屋のイメージフラワーとして、現在も包装紙などで華やぎを添えるバラの花。バラの包装紙が誕生したのは1952年のことです。高島屋がバラの花のように、四季を問わず1年中お客様に愛されてほしいという思いを込めて選ばれました。
いつもお客様をお出迎えしている、高島屋のマスコットキャラクター「ローズちゃん」。昭和34年(1959)年のクリスマスセールのマスコット人形「ハッピーちゃん」がそのルーツとなります。昭和37年(1962)からは、イメージフラワーであるバラの花にちなんで「ローズちゃん」の名前になりました。現在も国内外の高島屋それぞれの店舗で、店舗のイメージやイベントなどのテーマによって作られた、さまざまな姿のローズちゃんがお客様をお出迎えしています。
日本橋高島屋S.C.本館1階へ正面玄関から入ると、大理石の柱の横で出会えるローズちゃんがこちらです。現在はエレベーターのご案内係などが着用している同じ制服を着こなしています。四季を問わず1年中、お客様に愛される百貨店を目指して。ローズちゃんと一緒に、「おもてなし」の心を大切に、これからもお客様をお迎えしてまいります。
いかがでしたか? 今回は重要文化財である日本橋高島屋S.C.本館で「おもてなし」の心が込められたスポットなどをご紹介しました。ぜひ、ご来店いただいて、実際に建物をご覧ください。まだまだ、お話したいことがたくさんあります。次回もご期待ください。

創建時から使用されている手動式エレベーター
日本橋高島屋S.C.本館の正面玄関に掲げられた、社旗をご覧ください。こちらに染め抜かれた高島屋の「高」の字は「はしご高」を使用しており、「はしご高」には、はしごをひとつひとつ登り、業界のトップを目指して欲しい、という創業者の思いが込められています。社旗をウラからご覧いただくと、「高」という字は、オモテから見てもウラから見ても同じ形をしており、オモテもウラもなし、「おもてなし」という意味も込められており、創業当時から大切にしている高島屋の精神でもあります。

エレベーターの前に使われている壁の大理石は、木目調のものを使っています。これはお客様にホッとした気持ちでお買物を楽しんでほしいという思いで選ばれたもの。このエレベーターに乗ることを楽しみにご来店されるお客様もいらっしゃるほどです。ご来店の際には、ぜひご搭乗いただきたいですね。

小学生にも愛された水飲み場と戦火を防いだ鉄扉
正面玄関脇には、花をモチーフにした装飾が施された、アーチ型の水飲み場の跡があります。現在はふさがれていますが、当時は蛇口がついており、昭和50年(1975)頃までは水が出ていたようです。お客様に教えていただいた話なのですが、かつて近くにあった小学校から、休み時間になるとわざわざ小学生がこの水飲み場まで水を飲みに来て「高島屋の水は冷たくておいしい」と言っておられたそうです。

東洋の意匠である雷紋が施され、和洋折衷が表現されています。昭和20年(1945)、東京大空襲の時は、建物の東側に焼夷弾が落ちて木造部分が炎上する被害がありました。この場所にも戦火が迫りましたが、鉄扉を閉めることで、建物は守られたのです。

高島屋のマスコットキャラクター、ローズちゃん
高島屋のイメージフラワーとして、現在も包装紙などで華やぎを添えるバラの花。バラの包装紙が誕生したのは1952年のことです。高島屋がバラの花のように、四季を問わず1年中お客様に愛されてほしいという思いを込めて選ばれました。
いつもお客様をお出迎えしている、高島屋のマスコットキャラクター「ローズちゃん」。昭和34年(1959)年のクリスマスセールのマスコット人形「ハッピーちゃん」がそのルーツとなります。昭和37年(1962)からは、イメージフラワーであるバラの花にちなんで「ローズちゃん」の名前になりました。現在も国内外の高島屋それぞれの店舗で、店舗のイメージやイベントなどのテーマによって作られた、さまざまな姿のローズちゃんがお客様をお出迎えしています。
日本橋高島屋S.C.本館1階へ正面玄関から入ると、大理石の柱の横で出会えるローズちゃんがこちらです。現在はエレベーターのご案内係などが着用している同じ制服を着こなしています。四季を問わず1年中、お客様に愛される百貨店を目指して。ローズちゃんと一緒に、「おもてなし」の心を大切に、これからもお客様をお迎えしてまいります。

いかがでしたか? 今回は重要文化財である日本橋高島屋S.C.本館で「おもてなし」の心が込められたスポットなどをご紹介しました。ぜひ、ご来店いただいて、実際に建物をご覧ください。まだまだ、お話したいことがたくさんあります。次回もご期待ください。