本当に安心して着ることができる、日本初のGOTS認証のプリントTシャツ

こんにちは、高崎髙島屋発のコンセプトショップ「maison‣de‣F(メゾンドエフ)」バイヤーの中里です。産地を巡る中で出会ったファクトリーブランドや作家のこだわりの詰まった商品を展開する「メゾンドエフ」。こちらのコーナーでは、一般的には知られていない、だけど知ると欲しくなる、誰かに勧めたくなる、作り手の想いの詰まった商品とその背景にあるストーリーを皆さまにご紹介します。

中里バイヤーの顔写真
中里バイヤー
2009年に百貨店業界に入り、紳士服を中心に販売・バイヤー業務を経験。現在は、高崎店駐在バイヤーとして、紳士服・雑貨・スポーツの魅力を発信中!

「GOTS認証」という言葉を聞いたことはありますか。まだまだ聞きなれない言葉ですが今後耳にする機会は増えるかもしれない大切な認証です。初回はその「GOTS認証」と日本のアパレル産業について、そして今年からスタートした新しい取り組み「GOTS PRINT T-SHIRT PROJECT」ついてご紹介します。

オーガニックコットンとは?


GOTSプロジェクト

「オーガニックコットン」という言葉はすでに多くの方にとって聞きなれた言葉だと思います。3年以上農薬や化学肥料を使わないで栽培された農地で育てられた綿花のことを言い、環境への負担を減らし、生産者の健康にも配慮した素材として注目されています。

アパレルでもこの「オーガニックコットン」を使用した商品は数多く存在します。しかし「オーガニックコットン」という言葉が独り歩きし、オーガニックという言葉からその商品は環境に優しいという印象を消費者に与えます。では本当にすべてがそうなのでしょうか。綿花から糸、糸から生地、生地から染色や裁断、縫製など分業化される服の製造工程すべてで環境への負荷が少ない、もしくはその過程で働く人達の労働環境が適正であるかは、「オーガニックコットン」を使用したというだけでは計り知れないことです。もしかしたらオーガニックコットンを使用していても洋服への製造工程において排水などで環境に負荷を与えているかもしれません。

GOTS認証とは?


GOTSタグ

そこで注目したいのが「GOTS認証」です。「GOTS」とは「Global Organic Textile Standard」の略称で、「ゴッツ」と読みます。GOTS認証は、コットンをはじめウール、麻、絹などの原料が製品として消費者の手にわたるまで「繊維製品が正しくオーガニックである」ことを保証する世界共通ルールです。GOTS認証を受けた製品は原料の70%以上がオーガニック。さらに加工・製造・流通のすべての工程において、環境的かつ社会的に配慮した方法が実行され、一般的製品との混合や汚染がないように管理されています。

第三者の認証機関によるGOTSの認証がスタートしたのは2006年。それ以前は世界にオーガニック繊維製品の製造や加工についての基準がたくさんあったため、国際的な取り引きをスムーズに進めることが困難でした。そこで世界共通の基準として新たに設けられたのがGOTS認証です。

非営利組織ながら、社会問題の解決を目指す厳格な基準と認証によるチェック体制で信頼を得たGOTSは83ヶ国に広がり、2022年には認証施設は世界で1万3000以上に。しかし、日本は62件と思うように増えていません。その背景には日本特有のアパレル産業の構造があります。そもそもGOTS認証を受けるためにはすべてのサプライヤーが認証を受けている必要があります。GOTS認証施設数が最も多いインドは、政府主導で紡績から縫製までの製造工場を集積することで一貫生産が可能となり、認証への手続きも迅速に対応することが可能です。対して日本は工程を分業化した昔ながらの方法で服を生産しており、ひとつの洋服ができるのに10社ほど携わっています。この分業制は個々の工程の専門技術が高まり、高品質の物づくりに繋がるメリットがあります。実際、多くの海外のトップメゾンブランドは日本の工場に多くの注文をしています。一方でこの分業制がゆえに工程ごとに小規模な工場が数多く存在しており、それらの工場にとってグローバル企業向けに設計されたGOTSの審査は縁遠い存在であり、また費用の負担感も大きくなり、認証の取得が国内で進まない大きな要因となっています。

GOTS CSCSとは?


三恵メリヤス

今までは各工場のすべてのサプライチェーンでGOTS認証を個別に取得しなければ最終製品にGOTS認証ラベルを付けることができませんでしたが、グループとして認証を取ることでグループとして作った製品にGOTS認証ラベルを付けられるようになる新しい取り組み「GOTS CSCS」がスタート。※管理型サプライチェーンスキーム=Controlled Supply Chain Scheme、略してCSCS(シーエスシーエス)。

GOTSは服作りの全工程で第三者機関による認証を必須としますが、CSCSでは日本の製造環境にあるレギュレーションを最適化。従業員20名以下の小規模事業所8ー30社で構成されるサプライチェーンを単一のグループとみなし、監査及び運営スキームを簡略化することでGOTSの門戸を小規模事業者に広げました。大阪にある老舗メリヤス工場「三恵メリヤス㈱」がGOTS CSCSのパイロットプロジェクトに選ばれ、2023年に大阪・和歌山にある8社と協業のもと高品質のオーガニックコットンTシャツの製造とGOTS認証取得を実現しました。

国内アパレル産業が分業制になっているがゆえに、ものづくりの背景にある情報が消費者に正しく伝わりにくい状況になっています。GOTS認証は消費者にとって安心安全な服選びの目印になると同時にものづくりサプライチェーンを健全にしていきます。
縮小する国内市場において、アパレル産地は今後高い技術を活かし、海外市場へ進出することがひとつのテーマになっています。海外市場では日本より環境・社会問題への意識が高く、オーガニック素材や製造工程における認証取得の必要性が高まっています。今後GOTS認証を取得することが国内工場の海外進出のキーワードになるかもしれません。

今回の三恵メリヤスが進めるGOTS CSCSの取り組みの拡大が国内でのGOTS認証の認知度向上、そして国内アパレル産業の海外市場への進出へ繋がる可能性を秘めていると言えます。

GOTS PRINT T-SHIRT PROJECTをスタート


GOTS ORGANIC TEE SEW by EIJI ゴッツ認証クルーネックプリントTシャツ

より多くの方にGOTS認証のこと、そしてその背景にあるアパレルの課題や産地のものづくりへのこだわりを知ってもらうために、三恵メリヤスのサプライチェーンチームとともに【GOTS PRINT T-SHIRT PROJECT】を今年からスタートしました。

2023年に実現した三恵メリヤス率いるサプライチェーンチームによるGOTS認証Tシャツは無地のものでした。その理由は国内にGOTS認証を取得した染料がほとんど流通していないからです。
そんな中、愛知県の山奥に一人の職人によるGOTS認証を取得したプリント工場があることが判明。その工場は一般的に流通している染料に比べ、環境への負荷の少ないGOTS認証を取得した染料を海外から空輸して、手作業によるシルクスクリーンプリントを行っています。その工場と協業することで日本初のGOTS認証を取得したプリントTシャツの企画が可能に。今回のプロジェクトによるプリントTシャツを販売することで少しでも多くの方にGOTS認証のことを知ってもらうこと、そして国内産地のサプライチェーンに貢献することができればと思います。

デザインは人気アーティスト【モルガ】


モデル着用画像

そして大事なプリントするデザインは、思わず笑顔になるポップな世界観が魅力的なオーストラリアのイラストレーター:モルガ氏に協力を依頼しました。モルガ氏はシドニーを拠点に活動し、オーストラリアで数多くの賞を獲得、現在はグローバル企業とのコラボも続々と発表するなど活躍の幅を広げている人気のアーティストです。今回の取り組み主旨を説明したところ快く承諾していただき、モルガ氏にとって思い入れの強いデザインをご提供いただきました。

第三者機関の厳密な審査をクリアした本当の意味で安心・安全に着用することができる、日本で初めてのGOTS認証のプリントTシャツが出来上がりました。

GOTS ORGANIC TEE SEW by EIJI ゴッツ認証クルーネックプリントTシャツ

GOTS ORGANIC TEE SEW by EIJI ゴッツ認証クルーネックプリントTシャツ(ブラック・ピンク・ネイビー)12,100円から
サイズ:1(メンズS)から4(メンズXL)



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※掲載商品の価格・内容は8月26日(火)時点のものです。
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