季節には、その時々にしか味わうことのできない美しさや魅力があります。
そんな四季の愉しみを、暮らしの中に取り入れてみませんか?
普段の生活をより豊かに彩るヒントを、さまざまな分野の方にお聞きします。
第11回目は、子どもたちの心を育むスイス・ドイツを中心とした
ヨーロッパの美しい玩具を日本の子どもたちに届け続ける、
「ATELIER NIKITIKI(アトリエニキティキ)玉川店」の店長・市場恵美子さん。
街がイルミネーションで輝き始めるこの季節、
クリスマスのギフトにぴったりなおもちゃを年代別に選んでいただきました。
vol.11
クリスマスが近づくと、私たちもサンタさんのお手伝いで大忙し。でも、それが毎年の楽しみでもあります。
今年で50周年を迎えた「ATELIER NIKITIKI」は、創業者がヨーロッパで出会った木製おもちゃを日本の子どもたちにも届けたい、という想いからはじまりました。
良木を使ったおもちゃはとても丈夫で、日に焼けたり汗や垢が染み込んだりして、色が変わっていきながら2代3代と受け継いでいける良さがあります。当時プラスチック全盛期だった日本に、創業者は改めて木製おもちゃの魅力を伝えたかったんです。
ヨーロッパのおもちゃはデザインがシンプルで美しいことも特長です。シンプルだからこそ子どもたちの想像力はかきたてられ、飽きずに長く遊ぶことができます。
おもちゃは子どもにとって、お友だち。子どもの心に寄り添いながら、一緒に成長してくれるかけがえのないものだと思っています。
今回は年に一度のクリスマスに、おもちゃと一緒に夢のある時間を過ごしてもらえたらと年齢別におすすめを選んでみました。
赤ちゃんは、音や動きのあるものにすごく興味を惹かれますよね。「トレインカースロープ」は、スロープを滑る車両の動きと鳴るカタカタ音がとっても面白いおもちゃです。お座りできるようになると、目と首を一緒に動かして車両の動きを追いかけますよ。
2~3歳になると、考えたり、手を動かしたりする遊びもできるようになります。スイス・ネフ社の代表作でもある「ネフスピール」は、オブジェのようなデザインの美しさから美術館に収蔵されたり、ミュージアムショップでも販売されたりしている積み木。「ATELIER NIKITIKI」では、子どものうちから美しいものに触れることは、感性を育むためにとても大切なことだと考えています。
ドイツの楽器メーカー、ゾノア社の「メタルフォン」は、おもちゃというより小さな楽器。美しく正確な音色は、オーケストラの国ならではのこだわりが生きています。家族みんなで楽器を片手に演奏会をしても素敵ですね。
遊びの幅が広がるこの時期、プロ棋士の藤井聡太さんが幼少期に遊んでいたことで話題になったスイスのおもちゃ「CUBORO (キュボロ)」はいかがでしょうか。溝のついた立方体を組み合わせて通り道をつくり、ビー玉を転がしてゴールさせるという奥の深い遊びは大人でも夢中になってしまうほど。子どもは感覚的に手をどんどん動かして、トライアンドエラーしながら集中して遊びますよ。
「ジュエルメモリー」は、片面にアクリルの宝石がついた積み木で、このきらめきに子どもが目を輝かせるんです。色合わせをするメモリーゲーム(神経衰弱)をしても盛り上がります。
以前、あるご家族が出産祝いを探しにご来店くださいました。お嬢さまのご友人に赤ちゃんが産まれるそうで、選んでくださったのは、そのお嬢さまが子どもの時にご両親がプレゼントされたという木の時計。今でもその時計はご自宅に飾っているそうで、今度はそれをギフトにと選んでくださるなんて、とても感激しました。
こうして喜びを受け継いでいくことができるのも、長く作り続けてくれる職人がいてこそ。「ATELIER NIKITIKI」は、そうした技術や伝統を守り続けていくことも大切な使命だと考えています。
これから本格的なクリスマスシーズンに入ると店頭にはクリスマスツリー&オーナメント、アドベントカレンダー、くるみ割り人形など、クリスマスコレクションもたくさん並びます。「ATELIER NIKITIKI」のおもちゃが、子どもたちの温かいひとときと共にあってくれたら嬉しいですね。
ATELIER NIKITIKI
(アトリエ ニキティキ)
玉川店
ドイツやスイスなどヨーロッパの木製玩具を中心に取り扱う玩具店。子どもたちの想像力や工夫する力を育む「心を育てるおもちゃ」を大切に、安全性・機能性・デザイン性に優れた玩具を揃える。ファミリー層が多い二子玉川店は0~2歳向けの玩具がとくに充実。