日本には、世界も注目する数々の名品、良品がたくさんあります。
美しく丁寧なものづくりには、生産地の風土や歴史、
作り手の想いなどさまざまなストーリーが息づいています。
そんな日本の“いいもの”が、日々の暮らしの中にあったなら……。
二子玉川に暮らす“私”が、
日本ならではのファッション、食、暮らしの道具の魅力に触れるため、玉川高島屋S・Cを巡ります。
どんな素敵なストーリーに出会えるのでしょうか?
涼やかな風鈴の音に、蚊取り線香のにおい……
日本には、夏を心地よく過ごすための知恵や工夫がたくさんあります。
便利になった今だからこそ、そんな日本の夏ならではの風情を楽しみたい。
そこで今回訪れたのは、
世界に誇る日本のものづくりを紹介する高島屋の自主編集売場<WAGOTO>。
マネジャーの小沼さんと、売場スタッフの中村さんに、
この夏を彩る暮らしの道具を見たてていただきました。
02NIPPONの雑貨と暮らす
カラフルな南部鉄器の急須や、独自の感性が光る作家ものの飯碗、手仕事が美しい竹籠。<WAGOTO>には、暮らしのさまざまなシーンを彩る、上質なアイテムが集められています。
「何百年という伝統を築いてきたもの、職人技で一つひとつ丁寧につくられたものにはストーリーやこだわりがあって、私はそこに魅力を感じるんです」
そう教えてくれたのはマネジャーの小沼さん。
小沼さんが選んでくれたのは、夏の風物詩「蚊やり器」。
「桑名の鋳物は、江戸時代に鉄砲の製造を始めたことが起源と言われています。三重県内では着物の図柄となる伊勢型紙が育まれ、こちらの蚊やり器のデザインも、花火や朝顔、籠など夏の風物詩がデザインされています。柄によって、煙の立ち方が変わるのも楽しいですよ」
くわな鋳物の蚊やり器。手前から時計回りに朝顔・花火・籠
すっきりとしたモダンな佇まいは、和洋どちらのインテリアにも合いそうです。私はマンション住まいですが、どんな場所に置いたらいいでしょう?
「窓際や玄関など、外との境に置くのがおすすめです。また、使わないときはお部屋のインテリアとしても、素敵ですよ。」
こちらは、南部鉄器の「手まり蚊やり」。LEDライトを入れてリラックスタイムにも
小沼さんは、こうした和の道具は忙しい毎日を送る人にこそおすすめだと言います。
「たとえば家事や仕事の合間に、ちょっと手を休めて、蚊取り線香を焚く。それだけで時間の流れが変わり、ゆっくりとしたリズムになりますよ。和の道具は、慌ただしい自分をリセットして、心豊かに日々を過ごすお手伝いをしてくれると思います」
続いて夏におすすめのテーブルウェアとして「江戸切子」を紹介してくださったのは、売場スタッフの中村さん。きりっとしたガラスの質感が、見るからに涼やかです。そもそも、江戸切子とはどういうものなのでしょうか?
「江戸時代後期に、江戸のビードロ屋加賀屋久兵衛がガラスの表面に彫刻したのがはじまりと言われています。それから約200年、切子職人たちの努力によって大切に守り受け継がれているんですよ。」
江戸切子は、2002年には経済産業大臣指定伝統的工芸品に認定され、伝統に新しい風を吹き込んだ作品が、今もたくさん生み出されているのだそう。<WAGOTO>で取り扱う江戸切子のうちのひとつ、「彩鳳(さいほう)」は比較的若い職人が多く属し、伝統技法に磨きをかけながら新しい技法やデザインを探求している今注目のブランドです。
晩酌が欠かせない私には、彩鳳の「酒器揃」と「オールド」を選んでいただきました。
彩鳳の「矢来星重文様オールド」は、江戸切子の伝統的な文様である矢来に、きらめく星をあしらったオリジナルデザイン
彩鳳「剣菱魚子文様 酒器揃」の徳利。伝統文様の剣菱・魚子文様・笹の葉文様を組み合わせたデザインが粋な印象
オールドを手に持って上からのぞきこんでみると、その繊細なカットの美しさにため息がこぼれます。
「お酒をそそぐと、光がゆらめいて輝きが増し、まるで宝石のようですよ。毎日の晩酌を、江戸切子の酒器揃で少し贅沢に味わっていただくのも素敵です。
年中楽しめる切子ですが、冷酒が美味しいこの季節にこそお楽しみいただきたいですね」
季節を彩る和の道具。それは、季節を愛おしむ“心のゆとり”をもたらしてくれるものなのかもしれません。お気に入りの「和道具」とともに過ごす今年の夏は、いつもと一味ちがう日本の夏の良さを感じられそうです。
WAGOTO 本館タカシマヤ5F
世界に誇る日本のものづくりをテーマに、素材、伝統的な技術や技法、機能性などにこだわり、日本各地から集めた暮らしの道具を紹介する高島屋の自主編集売場。伝統工芸品や生活雑貨、作家や職人の手しごとのものなど、今の暮らしを豊かに楽しむアイテムが揃う。
の自主編集売場。伝統工芸品や生活雑貨、作家や職人の手しごとのものなど、今の暮らしを豊かに楽しむアイテムが揃う。