日本には、世界も注目する数々の名品、良品がたくさんあります。
美しく丁寧なものづくりには、生産地の風土や歴史、
作り手の想いなどさまざまなストーリーが息づいています。
そんな日本の“いいもの”が、日々の暮らしの中にあったなら……。
二子玉川に暮らす“私”が、
日本ならではのファッション、食、暮らしの道具の魅力に触れるため、玉川高島屋S・Cを巡ります。
どんな素敵なストーリーに出会えるのでしょうか?
日本の夏らしい風情を感じさせてくれる浴衣。
憧れはあるものの、なかなか着る機会はないと思っていました。
そんな私が出会ったのが、「きものやまと玉川高島屋S・C店」の浴衣。
店長の吉川祐樹さん、「きものやまと」プレスの小西彩乃さんが、
普段着として浴衣を楽しむためのヒントや、
小粋に見える着こなしのポイントなどを教えてくださいました。
01NIPPONのファッションをまとう
店頭に並ぶのは、色柄豊富な浴衣や帯、かわいらしいかんざしに涼しげな籠バッグ。素敵な和の装いの世界に心ときめきます。
「浴衣といえば花火大会やお祭りで着るものだと思っている方が多いと思うのですが、私は夏のワードローブのひとつとして普段から楽しんでいますよ。お買い物やカフェなどちょっとしたお出かけはもちろん、帯締めや中に衿付きのインナーを着て夏着物風にアレンジすれば、よそ行きとしても重宝します」
そう話しかけてくれたのは、「きものやまと」プレスの小西さん。その素敵な着こなしを前に、浴衣を着てみたいという思いが高まります。
とはいえ、初心者にはわからないことだらけ。帯合わせなどのコーディネートも難しそうです。
「初心者の方には、とくに紺地の浴衣がおすすめです。日本人の肌色によく合い、どんな年齢の方でもコーディネートしやすいんです。柄は、朝顔や紫陽花などベーシックな夏のモチーフが取り入れやすいと思います」
帯とのコーディネートのポイントをたずねると、浴衣の柄から色を拾うこと、そして全体の色とトーンを合わせることの2つを意識するといいと教えてくれました。
「たとえば、浴衣の柄に赤と青が使われていたら、赤や朱色の帯で元気な印象にしても、青色の帯で涼やかにまとめても素敵ですね。また、くすんだ色合いの浴衣には、シックなトーンに合わせてミンサー帯(石垣島、竹富島産の帯)を締めるのもおすすめ。ワンランク上の装いが楽しめますよ」
色使いや合わせる小物によって、同じ浴衣でもガラリと印象が変わります。ピアスやネイルで変化をつけてもいいそう。
「浴衣にルールはなく、なりたい自分のイメージに合わせて自由に着るのが一番。洋服と同じように、明日はどんな風に着ようと、コーディネートを考えるのは楽しいですよ」
「色や柄だけでなく、帯の結び方だけでも雰囲気を変えることができますよ」
そうアドバイスをくださったのは店長の吉川さん。
かわいらしくしたいなら、リボンのような『文庫結び』、大人な『風船太鼓』やキリッと小粋な『貝の口』など、結び方はいろいろ。「きものやまと」では、店頭で帯結びや着付けレッスンも行っているのだそう。
「夏に向けて練習に来られるお客様もいらっしゃいます。もっと手軽に着たいという方には、きものやまとオリジナルの『ワンタッチ帯加工』もおすすめです。結ぶ手間を省けるうえに手結びしたような見栄えで、崩れる心配もありません」
最後に、お二人は浴衣を着る楽しみについてこんな風に伝えてくださいました。
「浴衣を着ると、周りの見る目も変わります。いつもより丁寧に接してもらえたり、素敵ねと声をかけてもらえたり。何気ない夏の一日がとっておきの思い出になるはずです」(吉川さん)
「今まで自分には似合わないと思っていた色や柄も、和服ならしっくりくる、と嬉しい発見をされるお客様がたくさんいらっしゃいます。浴衣をきっかけに、新たなご自身の魅力や装いの楽しみを見つけていただけたら嬉しいです」(小西さん)
浴衣を身にまとうだけで、なんだか背筋が伸びるから不思議ですね。この夏は、浴衣を着て、“新しい私”を楽しんでみよう。なんだか素敵な夏になりそうです。
きものやまと 玉川高島屋S・C
大正6年創業のきもの専門店。フォーマルから気軽なお出かけ着、浴衣、小物まで幅広く取りそろえ、時代に合わせたきものの楽しみ方を提案する。玉川高島屋S・C店は装いにこだわりのある客層に対応し、稀少な国産の絞り浴衣、博多織や桐生織といった産地にこだわった帯など、ワンランク上の品を取り扱う。
玉川高島屋S・C店は装いにこだわりのある客層に対応し、稀少な国産の絞り浴衣、博多織や桐生織といった産地にこだわった帯など、ワンランク上の品を取り扱う。