Feel a SEASON

季節を愉しむ暮らしの提案

季節には、その時々にしか味わうことのできない美しさや魅力があります。
そんな四季の愉しみを、暮らしの中に取り入れてみませんか?
普段の生活をより豊かに彩るヒントを、さまざまな分野の方にお聞きします。
第3回目は、“遊び心”をテーマにしたフラワーショップ、
「Ludique by Hanahiro」のスタッフ・金丸夏希さん。春から初夏にかけての
美しい季節を楽しむための花や花器の選び方、コーディネートのコツを教えていただきました。

vol.3

季節の花で暮らしを彩る。
家の中に春を呼び込む
フラワーコーディネート

店頭には、なるべく今の季節を感じられるようなお花を取り揃えるようにしています。たとえば、春はチューリップやラナンキュラス、初夏には芍薬やライラックなどがおすすめです。

部屋に生花を飾ると空気が少し動くというか、変化が生まれるんですよね。小さなつぼみが少しずつ開き、花が咲く。そしてそれがだんだんと枯れ、朽ちていく様子を間近で見られるのは、造花とはまた違った魅力だと思います。家の中にいながら自然を感じられるのが嬉しいですね。

部屋に合わせた花選びと
生け方のコツ

お花の飾り方は、本当に自由です。まずは好きなお花を選んで、花瓶がなければ空き瓶やお皿など、身近にある器でも構いません。生けるときにはお花の色のトーンを合わせてグラデーションを作ってあげること、高さに変化をつけることを意識すると、花束全体に生き生きとした表情やリズムが生まれます。

飾る場所を考えるなら、たとえば、玄関にはバラのように香りが強く華やかなお花をたっぷり生けてあげるといいかもしれません。帰ってきたときにふわっと気分がやわらぐだけでなく、お迎えするお客様の目も楽しませてくれるはずです。寝室には、ユーカリやミント、ローズマリーなどのハーブ類を飾ってみてはいかがでしょうか。フレッシュな香りに包まれて自然とリラックスできそうです。和室には洋花を飾っても素敵だと思います。とくにキク科のダリアや、桜やハナミズキなどの枝ものは、和の雰囲気にも合わせやすいですよ。

花器選びは
花の魅力を生かして

花器を選ぶときは、お花の特徴や質感に合わせるのがポイント。茎がしなやかできれいなお花は、ガラスの器に生けて茎部分がよく見えるようにしてあげたり、花びらや葉の質感がマットなものには少し重厚感のある器を合わせたり。そうやってその花の良いところを見つけて生かすことを考えてみるといいですよ。

店頭では、美しい吹きガラスが特徴の「FIDRIO(フィディリオ)」や、果物や野菜をモチーフにした「DES POTS(デスポッツ)」など、オランダの花器ブランドを扱っています。しっかりと重みがあるのでお花も生けやすく、デザインが個性的なので、インテリアとしても絵になるんです。

「家にお花を飾ってみたい」という思いはきっと、日常を丁寧に暮らすということにつながっています。そんな素敵な気持ちを大切に、まずは気負わず、好きなお花を一輪飾ってみてはいかがでしょうか。

Ludique by Hanahiro

下北沢に本店を構える創業80年の老舗生花店「Hanahiro」が手がける「遊び心」をテーマにしたフラワーショップ。常時100種類以上の花を取りそろえ、童話の中の赤ずきんちゃんが寄り道して花を摘むように、気軽に立ち寄れる店をイメージ。季節の彩や香り、質感を楽しむ日常に 遊びのエッセンスをプラスした花のある生活を提案する。