歌舞伎界に学ぶ!“粋と艶”の日本文化をつなぐ、贈りもの選び

感謝の気持ちやお祝いの気持ちを添えて贈るギフトは万国共通ではありますが、出産祝い、入学祝い、お中元、お歳暮などは日本文化のひとつと言えます。そこで、古来のしきたりが今なお濃厚な「歌舞伎界」の贈りもの事情を紐解きながら、「粋な贈りもの」について考えてみましょう。実は、「高島屋」と歌舞伎専用の劇場「歌舞伎座」には、意外なつながりもあるのです。

協力:All About
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【ガイド顔写真/プロフィール】

宗像 陽子 むなかた ようこ

All About 歌舞伎 ガイド。子育て業界のライター業のかたわら、親子で楽しむ歌舞伎の魅力について執筆。小学生のころに、仮名手本忠臣蔵を観て、その彩りの美しさに圧倒されて以来の歌舞伎ファン。

贈りもの文化を大切にしている歌舞伎界

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舞伎界では、襲名・追善披露などの際には、記念の品をお世話になっている人に贈ることがよく知られています。一般的には、手ぬぐい、風呂敷、扇子などを準備します。手ぬぐいにあしらう文様は、家紋やトレードマークなど。梨園の妻にとって襲名披露は手間と時間がかかるもの。平成28年に橋之助さんが8代目芝翫に、その息子3人がそれぞれ橋之助、福之助、歌之助を襲名した成駒屋では、手ぬぐいを4000本も用意し、歌舞伎ファンにも贈ったのだそうです。「感謝の気持ち」と「これからよろしくお願いします」という気持ちを添えたこれらの品は、ファンならずともとてもうれしいものです。

筆者の家には、七代目芝翫、つまり今回襲名した芝翫の父上が昭和42年に芝翫を襲名したときの風呂敷が大切にしまわれています。歌舞伎好きだった祖母のもので、桐の箱に納められた風呂敷は、祖母の家から母に預けられ、何にも代え難い宝物としてしまわれていたのでしょう。

さて、歌舞伎界でものを贈るのは襲名披露だけではありません。ごひいきへの挨拶回りや楽屋へのご挨拶、演技を教わったときのお礼、楽屋への差し入れ、お弟子さんへの出産祝い、入学祝いなど、その時の状況に合わせて贈りものをします。

いただきもの、お返しの多い日常の中で、いいなと思ったものはすぐに調べて注文をしておくのが梨園の妻たち。私たちも梨園の妻ほどではないとはいえ、アンテナを立てて、いい商品は常にチェックしておく癖をつけておくと、なにかの時にあわてずに済みますね。

役者さんに贈りもの・差し入れをしたい場合

れでは、歌舞伎を観に行く立場である私たちが、ひいきの役者さんに贈りものをしたいときにはどうしたらよいでしょう。

直接渡したいなら劇場の外で出待ちすることになりますが、役者さんによってはそれを嫌う方もいます。まずは、劇場受付でその家の番頭さんにお渡しするという方法をとりましょう。劇場入口近くには役者ごとに名前の書いてある受付があり、チケットの受け渡しのほか、プレゼントを受け取ってくれる場合もあります。その家によってルールが異なりますので、まずは受付で受け取っていただけるか聞いてみましょう。

とはいえ、せっかくのプレゼントが喜ばれず、逆効果になってしまうのは悲しいですよね。いったいどんなものがふさわしくなく、どんなものが喜ばれるのでしょうか?

具体的な贈りものの例を挙げていきましょう。贈りものや手土産などを選ぶ際、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?

避けておきたい!こんな贈りものはNG

生もの、手作りの食品は避ける

懇意の仲ならいざ知らず、どんなに愛情がこもっているとしても手作りの食品は、避けましょう。また、生ものも食べて体調を崩してしまったら、せっかくの好意もアダとなってしまいます。きちんとしたお店で買ったもの、そしてそれとわかる包装そのままで渡すというのは贈りものの基本中の基本です。

冷たい飲みものはのどを傷める

役者はのどを大切にします。声を使う人は冷たいものを飲むと声帯が冷やす恐れがあると言われ、子役には夏でもアイスクリームを食べさせないと聞いたことがあります。冷たくして飲むとおいしいものは、避けておいたほうが無難です。

こんな贈りものがおすすめ

小分けの『梅干』で、巡業中の疲れを癒す

歌舞伎役者は、地方巡業が多いもの。ひと月、ふた月と自宅を離れていることもまれではありません。興業のあと、地方のお客様との食事会で体も胃も疲れていることも……。ホテルの一室でお茶を飲みながら食べられる小分けの梅干はいかがでしょうか? もし、ご本人は梅干が苦手でも、小分けであれば楽屋でサッと皆さんに分けることもできて便利です。

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『お風呂グッズ』で至福の時間を

肉体を酷使するスポーツ選手や役者さんは、入浴剤は、ほっとできて喜ぶ方も多いよう。いくつあっても困りません。

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一門のみなさんで召し上がれ! いっせいに食べられる『大箱の食品』

「一門のみなさまでどうぞ」と楽屋にドーンと送れば、みなさんに喜んでもらえます。例えば、リンゴ一箱とかミカン一箱、お菓子の詰め合わせなどを贈ってもよいでしょう。楽屋に「ご自由に」と置かれた大箱から、役者さんたちが次から次へと持っていく風景を思い浮かべるのもまた楽しいですね。

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声を労わり、のどにやさしい『はちみつ』

冷たいものは喜ばれませんが、逆にのどにいいものなら喜ばれそうです。ちょっとした風邪予防やのどの調子が悪い時にも、はちみつやマヌカハニーなどは、いかがでしょうか。海外のおしゃれなパッケージのはちみつの詰め合わせは贈りものにも好適です。

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『演目・襲名に関連』する贈りもの

役者にとって、襲名披露はとても大切。襲名時の演目は、代々引き継がれているものなど、その家独自のものや、思い入れの深いものなどが選ばれます。例えば、平成30年に襲名披露をする高麗屋3代の襲名披露公演は1月と2月。昭和56年に白鸚・幸四郎・染五郎を襲名したときと同じ演目として、「菅原伝授手習鑑」(1月昼の部)・「勧進帳」(1月夜の部)・「仮名手本忠臣蔵」(2月夜の部)を上演します。
37年経って、同じ役で同じ名跡が引き継がれていることに歴史の重みと歌舞伎界の底力を感じさせます。そんな「菅原伝授手習鑑」の、重要なキーポイントとして梅が出てきます。贈りものをするのであれば、梅にちなんだものを贈ってはいかがでしょうか。

ちなみに、襲名して幸四郎となる染五郎さんは和菓子が大好きで、疲れたときは欠かさず和菓子を口にするという甘党なのだとか。紅梅・白梅のお菓子、梅にちなんだものやメッセージや名入れのものも喜ばれることでしょう。
または、「車引」「寺子屋」で、それぞれ染五郎改幸四郎、幸四郎改白鸚が演じるのは、悪役と思われていて実は味方であった松王丸。松や梅にちなんだものもおすすめです。
また、染五郎さんが市川染五郎として演じるのは、平成29年の11月公演が最後。11月公演の夜の部の「仮名手本忠臣蔵五段目・六段目」と「大石最後の一日」はどちらも「忠臣蔵」のお話です。そして、最後の「大石最後の一日」は、染五郎として演じる最後の演目となります。差し入れに、「忠臣蔵」とは切っても切れない「赤穂」にちなんだお菓子などはいかがでしょうか。「志ほ万」は、上品な甘さと赤穂特産の塩を効かせた味わいのあるお菓子です。和菓子や梅干しなど日本伝統の食材は当ストアでも多数取り扱っています。

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高島屋と歌舞伎座の関係とは

後に、高島屋と歌舞伎座の関係についてちょっとお話をしましょう。高島屋は、天保2年、京都で創業しました。歌舞伎の世界では、7世市川團十郎が「歌舞伎十八番」を定めたのがその翌年です。

東京・歌舞伎座の引き幕を調製したのが明治22年。翌年には京都・祇園館の引き幕を手がけました。これをきっかけに、高島屋は様々な劇場引き幕・緞帳を手がけるようになり、文化貢献も果たしつつ、装飾部門は高島屋の大切な事業のひとつともなってきました。

そんな高島屋が時を経て、日本橋に店舗を構えたのは昭和8年のこと。 平成21年には、百貨店建築で初めて重要文化財の指定を受けます。昭和初期から現存する百貨店建築の中で最大級の規模を誇り、内外装とも当初の姿を良好に保っています。一方、歌舞伎座は、明治22年に開場しました。火災や戦災などによって数度の立て直しはありましたが、名実ともに代表的な歌舞伎専用の劇場として世界に名を知られています。歌舞伎座と日本橋高島屋、東京の歴史を今に伝える代表的なランドマークと言えるでしょう。

今回は、古来のしきたりが今なお濃厚な「歌舞伎界」の贈りもの事情を紐解きながら、「粋な贈りもの」について考えてみました。感謝の気持ちやお祝いの気持ちを添えて贈るギフトは万国共通ではありますが、出産祝い、入学祝い、お中元、お歳暮などは日本文化のひとつと言えます。

歌舞伎座のある東銀座から日本橋までは、都営浅草線でわずか3分。日本橋高島屋で贔屓役者に贈りものを買うよし、お弁当を買って観劇を楽しむもよし。もちろん、日本文化である「粋な贈りもの」をお探しの際にも、ぜひ高島屋にお立ち寄りください 。

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